「ゲームチェンジャーと期待されたワクチンだが、オリンピック開会を目前にした7月1日時点で、2回接種完了者は11%。 接種開始から半年が経って、まだそんな程度かという有権者の非難の声が日に日に高まっている。 しかも、職域接種が始まるなか『接種券さえ届かない』 『自分より若い人がすでに1回目接種した』などという不公平感が拡大していている。 地元の声を聞くにつれ、政府は何をやっているんだと困惑しています」 安倍前首相周辺の自民党代議士は、こう言って下を向いた。

7月に入り、東京の新規感染者は700人を超え、あまりに早いリバウンドに、 ネットには医療関係者や一般国民からの恐怖と怒りの声が溢れている。

「まもなく1000人超えか」 「これ以上は無理」「オリンピック怖い」、 そして、「高齢者接種がほぼ完了したんだから、外出OKじゃね?」 ところが、「デルタ株」と呼ばれる変異体は若年層に拡大、重症化もしている。

東京都のモニタリング会議では、五輪開会式後の7月下旬には、東京都内の感染者数が1000人を超えると指摘している。

また、厚労省アドバイザリーボードの状況分析では、夏までに全国の1日の感染者が「最大7000人」、 少なくとも2000人にのぼると試算を発表した。

「今冬の欧米各都市では、変異し続けるウイルスに晒されて、ロックダウンは避けられないと思われます。 そのうえ、サッカー欧州選手権で2000人のクラスターが起きました。大規模スポーツイベントの恐怖です。 イギリスで発生した感染拡大は、その1ヶ月後には日本に伝播します」(厚労省キャリア) 「緊急事態宣言ならオリンピックは無観客開催」と約束した菅首相。

「しかし、セレモニーでは天皇陛下がオリンピック関係者をお迎えするという式次第が決定されているので、無観客は名ばかり。 数千人のIOC関係者などが国立競技場に入ります。こうした光景がテレビに映し出されて、国民はなにを感じるでしょうか…。 オリンピックへの冷ややかな感情がより深まることは避けられない」(組織委メンバー) 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は「観客については政府判断に従う」と表明した。

これは、オリパラ開催の責任が、主催都市である東京から政府に移ったことを示している。

菅義偉首相に、オリパラ、新型コロナ対策の全責任がのしかかっているのだ。

国民の命か、五輪経済か。

判断を一歩間違えれば、この国はたちどころに倒れるだろう。

「五輪クラッシュ」。

今や薄氷の政権だ。