国から自治体に供給される新型コロナウイルスのワクチン(米ファイザー製)の量が、7月に入って大きく減っている。

5~6月は希望量の8~9割が供給されていたのに対し、7月は一転、5割にとどまる。

ワクチン確保の見通しが立たず、予約の受け付け中止に踏み切る自治体が相次いでいる。

確保半分  「突然、供給が減らされて切羽詰まっている」。

7月から64歳以下の人たちへの接種を本格化させる予定だった東京都豊島区の直江太・ワクチン接種担当部長は嘆いた。

 同区では当初、7月前半(5~18日)に受け取れるワクチン量について、6月下旬と同じ42箱(約4万9000回分)程度と見込んでいた。

しかし、実際に確保できたのは半分の20箱。

区は、接種対象者らに「予約は8月以降にしてほしい」と呼びかけている。

 この事態に、すでに接種予約を受けてしまった医師らも対応に追われている。

 同区の「雑司が谷赤ちゃん・こどもクリニック」では、6月28日、区から「ワクチンの供給を制限する」と連絡が入り、翌29日に届いたワクチンは発注分の約2割だった。

このためクリニックでは急きょ、7~8月に入っていた約1000人の1回目の接種予約を全てキャンセルしたという。

 「このままでは、すでに1回目を打った人の2回目分も確保できるかどうか」。

クリニックの医師(47)は不安を語る。

なぜ、こんなことが起きているのか。

 国は4~6月、自治体向けに米ファイザー製のワクチン約1億回分を確保し、供給。

65歳以上の高齢者(対象者分=約7200万回)の接種を急ぐよう求めるとともに、64歳以下への接種も始められるようにしたため、各自治体では接種体制の強化に努めてきた。

 しかし、7~9月の供給量は、同じ約3か月でも7000万回分に減る。

これを受け、厚生労働省は6月1日、自治体側に供給量が大きく減ると通知し、同14日に示した供給スケジュールでは、7月前半は、全国で計1287万回分(自治体希望量の53%)にとどまると発表した。

 こうした政府の姿勢を、ある与党幹部は「結果的にアクセルとブレーキを同時に踏み込むような説明になってしまった」とみる。

7/2(金) 5:00 読売新聞