安倍晋三・前首相が元気ハツラツだ。

東京都議会議員選挙が告示された25日には 首相退任後はじめて自民党候補の応援に駆けつけてマイクを握ったかと思えば、秋に控えた総選挙に向けて全国行脚までスタート。

一方、自身のTwitterアカウントでは、赤木俊夫さんが遺した「赤木ファイル」の一文を切り取って自己正当化を図るという下劣な投稿をおこなったばかり (中略) 「この「共有する」、つまり国民が同じ想い出を作ることはとても大切なんです。

同じ感動をしたり、同じ体験をしていることは、 自分たちがアイデンティティに向き合ったり、日本人としての誇りを形成していくうえでも欠かすことのできない大変重要な要素です」 「日本人選手がメダルをとれば嬉しいですし、たとえメダルをとれなくてもその頑張りに感動し、勇気をもらえる。 その感動を共有することは、日本人同士の絆を確かめ合うことになると思うのです」 「(前回の東京五輪では)日本再デビューの雰囲気を国民が一体となって感じていたのだと思います」  自身が繰り返してきた「復興五輪」「人類がコロナに打ち勝った証」というフレーズはどこへやら。

ようするに、安倍前首相にとって東京五輪の開催は「日本人としての誇りを形成」「日本人同士の絆を確かめ合う」「日本再デビュー」などという 全体主義、国粋主義のためのものでしかないのだ。

その上、北京冬季五輪の前に日本で開催することに「歴史的な意味がある」「日本には責任がある」って、 そんなネトウヨの威信のために国民の命と安全を引き換えにしようとは、たまったものではない。

(中略) 安倍前首相はこのように語ったのだ。

「極めて政治的な意図を感じざるを得ませんね。彼らは、日本でオリンピックが成功することに不快感を持っているのではないか。 共産党に代表されるように、歴史認識などにおいても一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対しています。 朝日新聞なども明確に反対を表明しました」  東京五輪の開催に反対する意見が多いのは、感染拡大や医療提供体制の逼迫に東京五輪の開催が追い打ちをかけるのではないかという心配や不安が大きく、 さらには国民には我慢を強いながら五輪だけは特別扱いにするという不公平感、 感染防止対策の実効性や開催リスクを政府がまったく説明できていない不信感からだ。

そして、開催に疑義を呈しているのは野党や朝日新聞だけではなく、多くの国民や海外メディアからも反対の声があがっている。

にもかかわらず、安倍前首相は「反日的」な人たちが「今回の開催に強く反対」しているなどと党派的・思想的な問題に矮小化したのである。

 安倍前首相は2017年におこなわれた前回の都議選の応援演説中に「安倍やめろ」と声をあげた市民を指差し 「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と言い放ったが、今回もそれと同じ。

つまり、自分の考えに従わない、同調しない人びとはみな敵であり、東京五輪に反対する者は「反日的」だと決めつけ、攻撃対象に仕立て上げるのである。

 この対談でも、櫻井氏が「いまどなたにお会いしても「やっぱり安倍さんにもう一度、三度目の登板をしていただきたい」と言われます」 「多くの国民が「安倍ロス」に陥っています」と持ち上げると、安倍前首相は「大変光栄なことですが、それは全く考えておりません(笑)」などと返答。

だが、2007年に体調不良を理由に首相を辞任したあとも当初は再登板を否定しながら、櫻井氏ら極右応援団が担いだ神輿に乗って首相に返り咲いた。

こうして極右雑誌に登場し、仮想敵を派手に攻撃することで求心力を高め、再々登板に弾みをつけるという同じ茶番を再現するつもりなのはミエミエだ。

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