2018年に鹿児島市立中3年の男子生徒が自殺した問題で、市教委の第三者調査委員会は30日、「生徒がさまざまなストレスを抱えている中で、担任教諭による個別指導が自死の引き金になった」とする最終報告書を市教委に提出した。

 男子生徒は18年9月に夏休みの宿題を忘れて担任の女性教諭から個別指導された後、自宅で亡くなった。

 報告書によると、担任は宿題を忘れた男子生徒を含む6人の生徒への指導後、男子生徒を約10分間個別で指導。

冒頭、普通の生徒であれば萎縮するほどの大声で「やるべきことをしっかりしないで、自分の中でどうも思わないの?」などと叱責した。

進路の話題になると男子生徒は涙を流していたという。

男子生徒は志望先の高校の寮生活に不安を抱いており、信頼関係が築けていない担任に進路の悩みを知られ動揺したと考えられるという。

 男子生徒は当日提出すべき宿題をしていなかったことや進路を巡る悩みでストレスが高まっていたところに個別指導を受けたため「心理的な視野狭窄(きょうさく)状態に陥った」と結論づけた。

 男子生徒の母親は報道陣の取材に「調査委の委員や聞き取りに協力してくれた友達、保護者に感謝している。今の気持ちは息子に会いたい。いつものように『ただいま』と言って帰って来てほしい。それだけです」と話した。

 有識者でつくる調査委は遺族の求めで19年1月に発足。

当時の教員や生徒、遺族らに聞き取り調査などをして報告書を作成した。

再発防止策として報告書では生徒指導の見直しを提言。

大声などで生徒に恐怖感を与え、教師の意に沿わせる指導をしないよう求めた。

市教委や学校の対応も遺族の心情を受け止められず、適切ではなかったとした。

2021年6月30日 21時59分