アストラゼネカ製の新型コロナワクチンと血小板数低下の関連性、英エディンバラ大学研究報告 DIME 2021.06.29 ■アストラゼネカ社製COVID-19ワクチンと血小板数低下の関連 英アストラゼネカ社製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種と、血小板数低下の関連の実態が報告された。

その発生頻度はごくまれであることが分かった。

英エディンバラ大学アッシャー研究所のAziz Sheikh氏らの研究によるもので、詳細は「Nature Medicine」に6月9日掲載された。

血小板は、血管が損傷したときに出血を防ぐのに役立つ血液中の成分。

血小板数が少な過ぎると出血しやすくなる。

また、特発性血小板減少性紫斑病という疾患では、血小板の減少に関連して血液が固まり血栓・塞栓ができやすくなる。

今回発表された研究では、スコットランドの人口の99%に当たる540万人の医療データが解析された。

スコットランドでは2020年12月8日~2021年4月14日に、18歳以上の人口の57.5%に相当する253万人がCOVID-19ワクチンの初回接種を受けていた。

用いられたワクチンは、アストラゼネカ社製ChAdOx1が171万人、米ファイザー社製BNT162b2が82万人で、仏モデルナ社製mRNA-1273は1万人未満。

検討の結果、アストラゼネカ社製ChAdOx1を接種後の特発性血小板減少性紫斑病の推定発症率は、100万回当たり約11例と計算された。

この発症率は、B型肝炎やインフルエンザ、麻疹・ムンプス・風疹混合ワクチンで報告されている100万回あたり10~30例という報告と、ほぼ同等と考えられた。

なお、特発性血小板減少性紫斑病のほかに、動脈血栓・塞栓や出血性イベントについても、わずかながら有意なリスク上昇が観察された。

ワクチン接種後に血小板の減少やそれに関連する血栓・塞栓、出血性イベントを発症した人は、心疾患、糖尿病、慢性腎臓病などの基礎疾患を、少なくとも一つ以上有していたことも明らかになった。

また、高齢者に多い傾向も認められた(年齢中央値が発症群69歳、非発症群54歳、P=0.01)。

ただし研究者らは、COVID-19に罹患した場合にも血栓や塞栓のイベントリスクが上昇し、ChAdOx1接種後のリスク増加はCOVID-19罹患によるリスク増加よりも小さいことを指摘している。

論文の上席著者であるSheikh氏は、「スコットランド全体で行われた250万回を超えるCOVID-19ワクチン初回接種後のデータの解析から、ChAdOx1接種後に特発性血小板減少性紫斑病と、凝固および出血性イベントのわずかな増加が認められた。これは重要な事実だが、リスクは非常に小さなものと言える。ワクチンの持つ明確なメリットと、COVID-19に罹患した場合に凝固や出血性のイベントが生じる潜在的なリスクとの双方を考慮する必要がある」と述べている。

なお、米国ではChAdOx1は未承認であり、同国内で主として使われているファイザー社製ワクチンによる、特発性血小板減少性紫斑病や凝固・出血性イベントのリスク増大を示すデータは確認されなかった。

その他のワクチン接種後の影響については、今回の研究では検討されていない。

論文筆頭著者のヴィクトリア大学ウェリントン校(ニュージーランド)のColin Simpson氏は、「ワクチン接種の対象が、より若年で健康な人々に拡大されつつあるため、引き続きデータを蓄積して最新の解析結果を発表していきたい」と、研究継続の意向を示している。

(HealthDay News 2021年6月9日) Copyright c 2021 HealthDay. All rights reserved. (参考情報) Abstract/Full Text 構成/DIME編集部