米オレゴン州ポートランドで気温が観測史上最高に達し、1300万人が暮らす米太平洋岸北西部一帯が記録的な暑さに見舞われている。

「(暑さが)長引いているため、公衆衛生上の緊急事態として非常に深刻に受け止めています」と、 ポートランド危機管理局の広報官ダン・ダウシット氏はその直前に語っていた。

ポートランドがこれまで30℃を超えるような暑い夏と無縁だったわけではない。

時には38℃を超えたこともあるとダウシット氏は言う。

しかし、そのような高温が続くことはまれだった。

そのポートランドで、6月26日に42.2℃、27日に44.4℃、28日には46.1℃と3日続けて最高気温を記録した。

猛烈な暑さは命にかかわることもある。

シアトルのあるワシントン州キング郡が最近発表したヒートマップには、 比較的貧しい地域は樹木に覆われた場所が少なく、熱波の悪影響を受けやすいことが示されている。

今後、猛暑になる確率をさらに高める気候変動は、多くの都市が取り組まなければならない健康上の大きなリスクだ。

「市として(気候変動には)強い関心を持っています」とダウシット氏は語る。

暑さに加えて、山火事というかたちでも同市は気候変動の問題に直面している。

ポートランドは2020年、山火事のせいで一時期、世界で最も大気の質が悪い都市になった。

オレゴン州の最大都市ポートランドは、そこから北へ280キロメートルほど離れたワシントン州シアトルや、 同州東部のスポケーンなどとともに「ヒートドーム」に覆われた。

ヒートドームとは、高気圧が広範囲にわたって鍋の蓋のように上空を覆い、熱い空気を閉じ込めた状態をいう。

米海洋大気局(NOAA)の調査では、2021年のように、冬の間にラニーニャ現象が発生した年の夏にヒートドームが形成されやすいことが示されている。

ラニーニャ現象とは、海水温が東太平洋で平年より低くなり、西太平洋では高くなる現象だ。

冬から続くこの温度差によって、西大西洋の暖かい空気が東に運ばれて米国西海岸に到達し、最終的にそこで動けなくなる。

「西部の気圧が高くなると、西部上空に暖気が留まることになります」と説明するのは、 米国立気象局(NWS)西部地域気候サービス・プログラム・マネージャーのアンドレア・ベアー氏だ。

「ヒートドームとは本来、この暖かい空気を閉じ込めるドームのことをいいます。高温現象そのものは熱波といいます。 つまり平常時を大きく上回る気温が連日連夜続く状態です」とベアー氏は注意を促す。

ただし、ヒートドームは熱波を長引かせる一因になっていると付け加える。

ベアー氏によれば、夏や冬に高気圧が米国西部上空に停留するのは珍しいことではないが、「これほど早い時期に高温現象が生じるのは異常」だという。

6月中旬、米南西部ではヒートドームが原因で極度の高温状態が発生し、最高気温の記録が更新された。

17日にはカリフォルニア州パームスプリングズで50.6℃に達し、ネバダ州ラスベガスでは過去最高の45.6℃を記録した。

「現在の西部上空にあるのと同じ高気圧のパターンが、南北または東西に移動しただけです。 移動しながら強まったり弱まったりするのです」とベアー氏は言う。

米北西部の熱波は7月の頭には収まると予想されているが、「気象モデルは今のところ、7月第4週に近づくにつれて再び熱波の期間が始まる兆候を示しています」と氏は述べている。