タレントや実業家が飲食店でのトラブルをSNSで公表し、ネットが炎上する騒動が相次いでいる。

 タレントの小林礼奈(29)が4歳の娘と蒙古タンメン中本で食事した際の出来事をブログに綴ったのは6月5日だった。

食事していた際に席が空くのを待っていた別の客から「早くしろ」と怒声を浴びせられ、店員からも「次の方たちが待っているので」と、食事中に退店をさせられたことを綴った。

その後、店名を出したことで店員の対応に非難の声が殺到したのだ。

 騒動をうけ、蒙古タンメン中本は当時の様子を店内のカメラで確認し、9日に自社ウェブサイトで謝罪文を掲載した。

「(小林が)エプロンを外してレンゲを片付けていたように見えたため、食べ終わっていると思って退店をうながした」と経緯を説明した上で、「勘違いをしてお声がけしてしまった」と謝罪。

「飲食店で召し上がっている途中のお客様に、『お席の方よろしいですか?』という言葉は本来あり得ません」と訴えた。

 小林は店名を公表したことを謝罪した上で、「私のせいでお店の評価を落としてしまったんじゃないかと反省しております。大好きなお店で、いつもは完璧な接客をしてくれるお店でした。何年も通っていましたが、こんな事は初めてでした」と綴った。

その後も自身のブログで誹謗中傷が続いていることを告白。

20日に「誹謗中傷をしている方へ」というタイトルで、「いじめの負のスパイラルから抜け出すために勇気を持って書きます。私は叩かれて良い人間ではありません。直接の知り合いでもなく、直接話したこともない名前も住所も顔も明かしてない知らない人達に叩かれて良い人間ではありません。叩かれて良い人間もこの世に1人もいません。サンドバッグにしていい人間も1人もいません(原文ママ)」と悲痛な思いを吐露した。

 昨年9月には実業家でタレントの堀江貴文氏(48)が、マスク着用をめぐって飲食店とトラブルになり、「入店を拒否された」とSNS上で投稿。

店名は公表しなかったが、店を特定するヒントになるような内容を出し、店側がブログで反論したことで特定され、営業妨害のいたずら電話が店に殺到。

営業できない状態に追い込まれた。

 窮地に立たされた店に助け舟を出したのが、匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者で実業家のひろゆき(西村博之)氏だった。

Twitterでクラウドファンディングを始めることを提案され、開始すると多額の支援金が集まり、激励の手紙も多く寄せられた。

 都内で飲食店を営む40代の男性は、著名人がSNSで店名を公開して苦言を呈することで「大きなダメージを受ける」と語る。

「他のお客様に迷惑をかけたり、店が呼びかけているルールに違反する行為などよほどのことがなければ、注意しません。”お客様は神様”ですし、コロナ禍で飲食業界が苦しい中、足を運んで食事に来ていただけることは本当にありがたい。店とお客様がトラブルになるという事はよほどのことなんです。もちろん、店側の非礼でお客様を怒らせてしまったケースがあるかもしれないですが、店名を出して批判されると、事実関係を知らない人たちからネット上で批判の書き込みや、抗議の電話が店にかかってくる。話題になっていないだけで、ネット上の書き込みが広まって営業停止に追い込まれた店もあります。私たちも店の売り上げで生計を立てているわけだし、従業員の生活もかかっている。タレントの皆さんは軽い文句や愚痴を言いたいだけなのかもしれないが、SNS上で発信する際に自分たちの影響力が強いことを自覚してほしい」  SNS上で誹謗中傷を受けた方は大きな心の傷を負う。

事情を理解していないネットユーザーが、タレントと店側のトラブルに介入して暴言を浴びせることは断じて許されない。

(牧忠則)