学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、国は22日、 自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)が改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」を遺族に開示した。

遺族側の代理人弁護士が明らかにした。

ファイルの文書には「修正は問題があり行うべきではないと、 本省に強く抗議した」などと記載され、財務局が改ざんに抵抗した状況などが確認できる。

 ファイルはこの日午前、大阪市内にある代理人の事務所に郵送された。

赤木さんの妻雅子さん(50)が国などに損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が23日、 大阪地裁で開かれる予定で、国は地裁にもファイルを提出していた。

 雅子さんは大阪市内で取材に応じ「夫の気持ちを考えるとどんなつらい思いをしたのか胸がつまる。最後の夫の声なのできちんと読みたい」と話した。

 国によると、ファイルは約500ページ。

改ざんの経緯を時系列に記した文書や、財務省と近畿財務局との間で交わされたメール、添付資料がとじられている。

赤木さんが作成した「本省の対応」と題する文書では、財務省が学園を厚遇したと受け取られる恐れのある部分を売却などに関する調書から削除する方針を示したのに対し、 財務局側が「現場として厚遇した事実もないし、(会計)検査院等にも原調書のままで説明するのが適切」と意見し、「修正に抵抗」したと記載されていた。

 学園に国有地を売却した際の「売り払い決議書」については、2017年3月20日、財務省の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長(当時)から 「国会答弁を踏まえた修正を行うよう指示(調書の開示により新しい情報を与えることがないよう)があったとのこと」と記されていた。

—- ◇財務省の決裁文書改ざん問題  森友学園との国有地取引を巡り、財務省と近畿財務局は組織ぐるみで関連の決裁文書の改ざんを繰り返した。

同省の調査報告書によると、安倍晋三首相(当時)が2017年2月、「(取引に)関与していれば首相も国会議員も辞める」と国会で答弁。

妻昭恵氏らの名前が書かれた売却の決裁文書について、佐川宣寿(のぶひさ)理財局長(同)が外に出すべきではないと反応し、改ざんの方向性を決定付けたとされる。

佐川氏を含む同省幹部ら38人が有印公文書変造容疑などで告発されたが、大阪地検は全員を不起訴処分にした。