Apple・AMD・テスラ・Intelを渡り歩いた天才エンジニアのジム・ケラー氏へのインタビューが公開中、Intelで一体何をしていたのか? 2021年06月21日 16時10分 AMDのAthlonやZenマイクロアーキテクチャ、Apple A4など数々のチップ開発に携わり、「天才エンジニア」と高い評価を受けるジム・ケラー氏は2021年1月にIntelを突如退職し、記事作成時点ではAIチップのスタートアップであるTenstorrentの社長兼最高技術責任者を務めています。

そんなケラー氏に、技術系ニュースサイトのAnandTechがインタビューを行っています。

なお、ジム・ケラー氏の経歴は以下の通り。

入社 退職年 企業 肩書き 関与した製品・プロジェクト 1980年代 1998年 DEC アーキテクト DEC Alpha 1998年 1999年 AMD リード・アーキテクト K7マイクロアーキテクチャ K8マイクロアーキテクチャ HyperTransport 1999年 2000年 SiByte チーフ・アーキテクト MIPSアーキテクチャ 2000年 2004年 Broadcom チーフ・アーキテクト 2004年 2008年 P.A.Semi エンジニアリング部門ヴァイス・プレジデント モバイル向け低電力チップ 2008年 2012年 Apple エンジニアリング部門ヴァイス・プレジデント A4 A5 2012年8月 2015年9月 AMD 副社長 チーフ・コア・アーキテクト Project Skybridge K12 Zen 2016年1月 2018年4月 テスラ 自動運転部門ヴァイス・プレジデント ハードウェアエンジニアリング部門ヴァイス・プレジデント 完全自律運転(FSD)チップ 2018年4月 2020年6月 Intel 半導体エンジニアリング部門シニア・ヴァイス・プレジデント ? 2021年 Tenstorrent 社長 最高技術責任者 未定 (略) AT: まだ退職したばかりで話せないことも多いとは思いますが、Intelで何をしたかについて、詳しく教えてください。

ケラー氏: もちろんあまり多くは語れません。

私は半導体エンジニアリング部門のシニア・ヴァイス・プレジデントを担当しており、チーム人員数は1万人でした。

いろんなことをやっていて、とにかくすごいのです。

一度に60個だか70個だかのSoCを、文字通り設計から試作、デバッグ、生産まで一貫して行っていました。

メンバーは多種多様で、スタッフにはヴァイス・プレジデントや上級研究員もいて、かなり大所帯となっていました。

私はてっきり新しい技術を開発するために呼ばれたのだと思っていました。

私はIntelでのほとんどの時間を、新しいCADツールや新しい方法論、チップの新しい開発手法など、組織や方法論の変革に費やしてきました。

私がIntelに入る数年前に、IntelはSoCというチップ構築の考え方を採用し始めました。

しかし、Intelは優れたクライアントやサーバーの部品を単純にバラバラにしていただけで、うまくいっていませんでした。

部品をただバラバラにするだけでなく、部品をちゃんと再構築しなければなりませんし、それに伴う方法論の一部も必要になります。

また、IP品質やIP密度、ライブラリ、特性評価、プロセス技術にも多くの時間を費やしました。

私の毎日はかなり忙しく、1日で14もの案件を抱えることもありました。

クリック、クリック、クリック、クリックするだけでたくさんの物事が処理されていきました。

AT: Intelではたくさんの会議を行ったようでしたが、ケラー氏は何かを成し遂げましたか? ケラー氏 技術的には何もしていません。

「あなたはシニア・ヴァイス・プレジデントです」と言われ、評価をしたり、方向性を決めたり、判断を下したり、組織や人を変えたりしました。

しばらくすると、仕事の結果がちゃんと積み重なっていきます。

何かをやりとげるために重要なことは、自分がどこに向かっているのかを知ることであり、その方法を知っている組織を構築することです。

なので、コードはあまり書きませんでしたが、メールはたくさん送りました。

(略)