→東芝は当時の経産省参与に米ハーバード大基金との交渉を事実上依頼 →外為法に基づく措置ちらつかせ3Dインベストメントにも干渉 東芝は10日、2020年7月の定時株主総会の運営を巡り、筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが選任した弁護士による調査報告書を受領したと発表した。

調査を担当した弁護士らは、定時株主総会が公正に運営されたものとは言えないと結論付けた。

  発表された調査報告書によると、東芝は定時株主総会でのアクティビスト対応について、経済産業省に支援を要請。

改正外為法に基づく権限発動の可能性などを背景とした不当な影響を一部株主に与えていたと指摘した。

  一例として、東芝は米ハーバード大学の基金に議決権を行使しないよう当時経産省参与だった「M氏」に事実上交渉を依頼。

同参与は基金と接触し、結果として基金は議決権を行使しなかったとしている。

東芝はエフィッシモ選任弁護士による調査報告書を受領 Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg   報告書にはM氏のツイッター上の投稿も盛り込まれており、そのツイートの内容からM氏が経産省元参与の水野弘道氏であることが確認できる。

水野氏に電子メールで取材を試みたが、コメントは得られていない。

  経産省の平井裕秀商務情報政策局長は5月12日の衆院経済産業委員会で、1月まで参与だった水野氏からコーポレートガバナンス(企業統治)や外為法の運用についてアドバイスをもらう関係にはあったが、個別投資家の議決権行使に対する働き掛けを依頼したことはないとコメントしていた。

HIRO MIZUNO @hiromichimizuno · 2020年12月23日 私は経産省参与で、ハーバードのシニアフェロー、同基金とは長年の信頼関係にあり、その上で相談に乗ることはありますが、匿名条件の関係者の証言に基づいた本記事はCEO・CIOが経産省の私に脅されて議決権行使方針を決定したかのように書かれており極めて遺憾です。

  調査人の弁護士らは午後7時から記者会見を開く予定。

東芝は今回の調査結果の内容を慎重に検討の上、対応などを後日開示する。

  エフィッシモは昨年の定時株主総会で議決権の扱いに不自然な点が多く存在しているなどとして臨時総会の開催を請求。

今年3月に開かれた臨時総会ではエフィッシモの提案が賛成多数で可決し、弁護士による調査が進められていた。

  シンガポールのユナイテッド・ファースト・パートナーズのアジア調査責任者、ジャスティン・タン氏は、東芝はいま岐路に立たされていると指摘。

臨時総会でもし、他の株主がエフィッシモの提案に賛成していなければ、この不正行為は隠蔽(いんぺい)されていただろうと分析している。

  エフィッシモは昨年の定時総会では組織風土やガバナンスの問題解決のため、創業者の今井陽一郎氏ら3人を取締役として提案したが否決されていた。

一方、車谷暢昭前社長の賛成票も57.20%にとどまっていた。

車谷氏は4月に辞任した。

  今回の調査報告ではこのほか、経産省が別の大株主でシンガポールを拠点とする3Dインベストメント・パートナーズに、エフィッシモ案に賛成した場合、外為法に基づく何らかの措置が取られる可能性を示唆。

3Dの議決権行使に関する判断に一定の影響を与えたなどとも指摘した。

3Dも昨年の定時総会で独自の取締役候補を提案していた。

□関連記事 「企業統治が試されている」と東芝株主のオアシス-調査報告書受け 東芝の臨時総会でファンド提案可決、「株主の権利」に支持広がる 東芝が綱川体制で再出発、株主との関係改善や経営計画見直しへ 2021年6月10日 15:36 JST 更新日時 2021年6月10日 17:40 JST Bloomberg _nel (5ch newer account)