● 中国、2027年までに GDPで米国を抜く予測  中国の人口は2031年頃から減少に転じる。

 ただし、GDP(国民総生産)は今後も高い成長率を続け、英コンサルティング会社の予測では、27年頃にアメリカを抜いて世界最大の経済大国になる。

 これにインド、ブラジル、日本が続く見通しだ。

 米中間で、貿易戦争と経済覇権争いが本格化している。

しかし、1人当たりGDPで見ると、今後も米国や旧西側諸国と中国の差は依然として大きい。

● 人口増は鈍化、労働人口は減少 出生率改善せず経済に影響  米中貿易戦争の行方を考えるには、長期的な経済見通しを考慮に入れる必要がある。

なぜなら、長期的な経済成長の違いによって生産拠点や市場としての意味が変化し、貿易構造が大きく変わることもあるからだ。

 長期的な経済成長率には、まず人口動向が大きな影響を与える。

ヨーロッパや日本では、若年者人口の増加率が低い(あるいはマイナス)ので、経済成長率は低くなる。

 中国はどうか?  中国国家統計局(NBS)が2021年5月11日に発表した「2020年国勢調査」によると、中国の人口増加ペースがこれまでになく鈍化している。

 人口の年平均増加率は、2000年から10年までは0.57%だったが、過去10年は0.53%に鈍化した。

合計特殊出生率は1.3人となり、人口を安定して維持するために必要な最低水準である約2.1人を下回った。

 中国共産党は、5月31日の政治局会議で第三子を容認する方針を示した。

「一人っ子政策」を16年に廃止したが、それでも出生率が改善していないからだ。

 労働人口が減少傾向にあることも明確になった。

労働人口は10年の国勢調査より4000万人減った。

中国は、現在も8億8000万人という巨大な労働力を抱えてはいるが、今後も減少が続けば、経済構造に大きな影響が及ぶ。

● 中国の人口は2031年から減少 時期が早まる可能性も  将来の人口はどうなるか?  国際連合が、World Population Prospects 2019で、世界各国の将来人口の推計を行っている。

 2020年に14.4億人である中国の人口は、31年に14.6億人でピークになり、その後は40年で14.5億人、50年で14.0億人、60年で13.3億人になる。

そして、2100年では10.6億人になる。

2020年から4億人近くも減少することになる。

 最近の出生率動向を考えると、中国で人口減少が始まる時期は前倒しになるかもしれない。

 それに対して、2020年に3.3億人であるアメリカの人口は今後も増加を続ける。

そして60年に3.9億人、2100年に4.3億人となる。

2020年から約1億人増えるわけだ。

 なお、中国に代わって世界最大の人口となるのはインドだ。

若年者人口の増加率が高いので経済成長率が高くなると予測される。

 ただし、経済動向に影響するのは人口だけではない。

それとともに、国民の教育水準や技術進歩などが大きな影響を与える。

このようにさまざまな要因が絡み合っているので経済の予測は容易なことではない。

● 中国の1人当たりGDPは 2050年でも米国の44%  ただし、PwCの報告書によれば、2050年の1人当たりGDPでの世界首位はアメリカであり、9万ドル近い。

それに続くのが、カナダ、フランス、イギリス、ドイツ、そして日本だ。

 その一方で、中国、ブラジル、インドネシア、インドなどの新興国は低位にとどまる。

ただし、新興国グループと先進国グループの1人当たりGDPの格差は大幅に縮小する。

 中国の1人当たりGDPは、11年にはアメリカの18%にすぎないが、50年には44%にまで上昇すると予測されている。

だがそれでも米国とは大きな差だ。

全文はソース元で