プロ野球の世界において、リリーフ投手の地位を本格的に確立したのは、南海時代の江夏豊と言われている。

当時、選手兼任監督だった野村克也の「野球界に革命を起こさないか」という口説き文句で抑え投手に転向し、5度の最優秀救援投手に輝いた。

その後投手の分業制はさらに進み、先発投手の完投数は年々減少し、シーズンを勝ち抜くためにはいわゆる“勝利の方程式”と呼ばれる勝ちパターンを作ることが重要になっている。

 しかし、いくら分業制が進んでもなかなか評価されないのがリリーフでも中継ぎの投手たちだ。

今年の推定年俸が1億円を超えている日本人投手は29人いるが、その中で中継ぎの投手は宮西尚生(日本ハム・2億5000万円)と嘉弥真新也(ソフトバンク・1億4000万円)の2人しかいない。

一昨年のオフには祖父江大輔(中日)の契約更改を巡って、ダルビッシュ有(パドレス)が「選手からしたら夢ないよなぁ」とツイートして話題となったが、この数字を見ると確かに中継ぎ投手に夢がないと言われても致し方ない現状と言えそうだ。

次々と離脱  中継ぎ投手の年俸が低いのは、査定の問題だけが理由ではない。

3年程度活躍しても、その後は登板過多による故障や疲労で長期離脱してしまう例が非常に多いのだ。

近年で非常に分かりやすいのが2016年からセ・リーグ3連覇を達成した広島だ。

今村猛、一岡竜司、中田廉などが抑えの中﨑翔太に繋ぐ役割としてフル回転でブルペンを支えていたが、2019年以降は次々と離脱。

その後に穴を埋める存在となっていたフランスア、中村恭平、アドゥワ誠も含めて今年はほとんど一軍の戦力となっていない。

 同じセ・リーグで毎年投手陣が課題と言われているヤクルトも、そのような傾向が顕著だ。

2018年には中尾輝、2019年には梅野雄吾が苦しいブルペン陣の救世主的存在となったが、登板過多で翌年以降大きく成績を落としている。

今年も新加入の近藤弘樹が見事な活躍を見せていたが、5月26日の日本ハム戦で1球を投げただけで不調を訴えて緊急降板となり、翌日には出場選手登録を抹消されている。

 力のある投手が少ない中で、ようやく出てきた若手のホープに負担がかかり、そして彼らの調子が落ちて再び投手陣が苦しくなるという負のスパイラルに陥っていると言えるだろう。

常勝軍団と言われるソフトバンクでは、岩嵜翔、加治屋蓮、甲斐野央などが登板過多で長期離脱を経験しており、勝てるチームでも中継ぎ陣は大事にされていないというのが現状である。

無理をさせるべきではない  この中継ぎ陣の酷使は今年も当然のように続いている。

5月28日終了時点で、20試合以上と、20イニング以上の両方に当てはまる、主な中継ぎ投手をピックアップしてみたところ以下のような顔ぶれとなった。

岩崎優(阪神・23試合・20回1/3) 中川皓太(巨人・24試合・23回) 清水昇(ヤクルト・23試合・22回1/3) マクガフ(ヤクルト・22試合・22回) 今野龍太(ヤクルト・22試合・20回) 又吉克樹(中日・25試合・23回1/3) 石田健大(DeNA・23試合・26回) 山崎康晃(DeNA・25試合・24回1/3) 砂田毅樹(DeNA・24試合・20回) 泉圭輔(ソフトバンク・25試合・20回2/3) 岩嵜翔(ソフトバンク・23試合・22回) モイネロ(ソフトバンク・20試合・20回) 唐川侑己(ロッテ。

24試合・23回2/3) 平良海馬(西武・25試合・24回2/3) ギャレット(西武・22試合・20回1/3) 全文はソース元で