現在、兵庫県・淡路島に新社屋建設中で、東京・大手町の本社に勤務する7割近い1200人を、2024年5月までに移転させることを発表している大手人材派遣会社のパソナグループ。

先月、2021年5月期の業績を当初予想から上方修正した。

委託費3000億円「Go To 利権」にちらつくパソナと竹中平蔵会長の影  パソナは「東京2020オフィシャルパートナー」。

つまり東京五輪の大会スポンサーであり、大会運営業務を受託している。

東京五輪・パラリンピックの選手村や競技会場などの運営に当たるスタッフの派遣を担うが、5月26日の衆議院文部科学委員会で、大手広告代理店の東急エージェンシーが締結した業務委託契約書によると、運営スタッフ1人あたりに支払われる日当が最高で35万円、管理費・経費を入れて42万円で受託していることが発覚。

実際に支払われる日当との差額が大きく、大幅な中抜きが指摘されている。

■前期比で10倍以上の伸び  今期のパソナは、売上高3300億円、営業利益175億円、純利益62億円と、前回予想より売上高は1.2%の伸びだが、本業の儲けを表す営業利益は過去最高に。

さらに、純利益は31.9%増(前回予想比)で、20年5月期は一部固定資産の減損を計上していたとはいえ、前期比で10倍以上の伸びを見込む。

 同業他社の中で収益性に劣るパソナが好業績を見込む要因としては、東京五輪関連事業のほか、「持続化給付金」など政府からのコロナ対策事業受注による影響が大きいだろう。

間接業務を請け負うBPOサービスは収益性が高く、業績に大きく貢献している。

「パブリックセクター(公的機関)に食い込めているのは、菅義偉首相のブレーンで、政権との関係が深く規制緩和の旗振り役である竹中平蔵さんが、2007年から特別顧問、09年に取締役会長に就任しているのが大きいでしょう。五輪やコロナといった一過性のイベントだけではありません。期日前投票や出口調査など選挙関連事業に携わるほか、安倍政権時代に国会で可決成立した『70歳就業確保法案』も、シニアの雇用創造を提唱しているパソナにとって追い風で、この市場でシェアを取ることがさらなる好材料になるでしょう」(市場関係者)  70歳就業確保法案は、竹中氏が民間議員を務めていた政府の旧未来投資会議(現成長戦略会議)での提案がきっかけとされ、「パソナに対する利益誘導ではないか」との批判が常につきまとっている。

   経済評論家の杉村富生氏はパソナについてこう話す。

「政府や行政とつながりがあり、そこから仕事を受ける企業は少なくありませんが、パソナは建設業界を除けば代表的な存在でしょう。こうした会社は、ある程度の癒着がないと仕事になりませんが、あまりに権力にベッタリだと問題が発生するものです。菅首相の息子を入社させた東北新社の接待問題は象徴的なもので、一度問題が起こると、会社の信用やイメージを始め、あらゆるものがダメージを受けます。株式市場では長期的に利益を出し続ければ評価されますが、時の政権に近づきすぎる危うさをはらんでいると言えるでしょう」  外食や旅行など、コロナ禍で大打撃を受ける業界をよそに、パブリックセクターを収益源に業績を大きく伸ばしているパソナ。

不公平感だけでなく、企業運営に危うさが漂っている。

6/5(土) 9:06配信