5月17日に、NHK連続テレビ小説(通称・朝ドラ)通算104作目となる『おかえりモネ』がスタート。

初回の世帯平均視聴率(関東地区)は、19.2%と、前作『おちょやん』の初回を上回る好発進を見せています。

連続ドラマの世帯平均視聴率が10%を切ることがザラになった今、月曜から金曜まで毎日、約半年間にわたり放送され、悪くても全話平均15%程度の視聴率を常に叩き出す朝ドラを、“国民的ドラマ枠”だと言っても、もはや異論はないでしょう。

実は、放送作家でもある筆者は一昨年、この朝ドラが広瀬すず主演の『なつぞら』で通算100作となることを機に制作された番組『朝ドラ100作~ファン感謝祭』(NHK総合)の構成を担当させていただきました。

このための取材・リサーチを通じて、朝ドラには巷間ささやかれているさまざまな“法則”があると気づいた次第。

それは番組にも一部反映させていただいたのですが、今回はそのアップデート版として、「朝ドラの法則」を掘り下げ、検証を試みたいと思います。

■朝ドラには「4つの法則」がある 法則1:朝ドラのヒット作には、必ずタイトル中に“ん”が入る!  朝ドラ史上最高視聴率62.9%を誇る、1983年の第31作『おしん』や、大きな話題となった2013年の第88作『あまちゃん』のように、「朝ドラのヒット作にはタイトル中“ん”の字が必ず入る」という法則があります。

この法則は、朝ドラ関係者の間では以前からささやかれていたようで、前述の『朝ドラ100作~ファン感謝祭』にも出演していた、俳優の東出昌大も「僕が出演した『あまちゃん』にも『ごちそうさん』にもタイトルに“ん”が入っていた。それなのに記念すべき100作目の『なつぞら』には、“ん”が入ってなくて、イヤ~攻めてるなぁと思いました」という発言をされていました。

実際はどうなのでしょう?  筆者が改めて、歴代の全朝ドラ作品のタイトルを調べてみたところ、全104作中で“ん”が入った作品は……53作!  全体の半数以上に入っているところを見ると、制作する側が少なからず意識していることは間違いないかもしれません。

ですが、「“ん”が入っている=ヒット作」かというと……全話の平均視聴率歴代トップ20の中で“ん”入りは、9作と微妙な数字。

やはり『おしん』の特大ヒットの印象が強いために囁かれた“法則”、いわば“ゲンかつぎ”なのでしょう。

ちなみに、21世紀以降に制作された40作中で“ん”入りが、23作もありますから、近年はこの法則を制作側が以前にも増して気にしていそうなことも窺い知れます。

■「低視聴率で終わる朝ドラ」の意外な特徴 法則2:時代設定が“現代”の作品は当たらない!  朝ドラの時代設定というと、明治から大正期、もしくは戦前から戦後(昭和30年代頃)にかけてのものが多いイメージがありますよね。

これも全104作を調べてみたら、62作(約60%)が上記に相当しました。

ちなみに、物語が始まる時代が最も古いのは、2015年の第93作『あさが来た』の、1857年。

朝ドラに江戸時代が登場するのは、意外にもこの作品だけです。

さて、この“現代”をいつに認定するかは難しいところ。

朝ドラ枠が1961年スタートという点を鑑み、物語の舞台が1964年の東京オリンピック前後以降に始まるものとすると、42作。

1980年代以降にすると、30作となります。

ここは筆者の独断で、多くの視聴者が同時代を生きている1980年代以降から物語が始まる30作を“朝ドラの現代劇”とすることにします。

こう設定すると興味深いデータがありました。

先ほどの全話の平均視聴率で歴代ワースト10をみてみると、10作すべてが、この「時代設定が1980年代以降」の作品だったのです!  なので、この法則はおおむね正しいと言わざるをえません。

やはり、激動の時代を背景に、貧しさや生きづらさが描かれる展開の方が視聴者に好まれるということなんでしょうね。

法則3:主人公は死なない!  これも調べてみたところ、放送中の『おかえりモネ』を除く全103作中、劇中で主人公の死が明確に描かれたのは……第4作『うず潮』(1964年)、第60作『すずらん』(1999年)、第85作『カーネーション』(2011年)、第91作『マッサン』(2014年)の、わずか4作しかありませんでした。

もちろん、上記4作も不遇の死というものでは勿論なく、大往生と言っていいものばかり。

中には、『あさが来た』のように、年老いたヒロイン(波瑠)の亡き夫(玉木宏)が逢いに現れるというファンタジックな演出がされているものもあります。

▽引用ここまで。

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