6/6(日) 10:00 毎日新聞 うまい棒、42年間10円を貫く理由 年7億本出荷の「国民食」 うまい棒の味は現在14種類。

期間や地域限定のものもあり、好きな味が選べる=大阪市北区で2021年5月7日、菱田諭士撮影  子どものおやつから、お酒の「あて」まで、幅広く食べられている「うまい棒」。

もはや“国民食”といっても言い過ぎでないほど、誰もが知っている駄菓子だ。

サクサクした食感と味のバリエーションが人気のコーンスナックは、年間の出荷本数がなんと7億本! 国民1人が1年に5.6本食べている勘定になる。

何より、1本10円という安さ。

ものの値段を「うまい棒○本分」と換算することもあるほどおなじみだが、このご時世に安過ぎないかとちょっと心配……。

発売以来42年間、変わらない10円の秘密とは? 発売元の「やおきん」(東京都墨田区)に尋ねた。

【水津聡子】  ◇原形は「うまいうまいバー」  子どものころから、クリスマス会や地蔵盆などでおやつが配られると、かならずうまい棒が入っていた。

大阪の「おかん」になった今も、気が付くとなぜか家にある。

コンビニやスーパーで買えて、子どもに渡すおやつとしても手ごろだし、お子様ランチなどのおまけでもらうこともある。

嫌いだという人にあんまり出会ったことがなく、それがどこでも重宝される理由だろう。

 やおきんのルーツは、愛知県の八百屋さんだ。

現在の角谷昌彦社長の祖父母が、青果と一緒に特産のえびせんべいを製造販売したのが始まりだという。

父親の先代社長が戦後に上京して商売を始め、1960年に創業した。

 実は「うまい棒」の販売だけでなく、国内外のさまざまなメーカーの商品も取り扱う、お菓子の「総合プロデューサー」なのだ。

やおきんのホームページをのぞいてみると、うまい棒以外にもさまざまな商品が紹介されており、他社商品も少なくない。

駄菓子業界一体で盛り上げていこうという心意気を感じる。

 うまい棒が誕生したのは79年。

「ドラえもん」(テレビ朝日系)のテレビ放送が始まったり、インベーダーゲームが大流行したりした年だ。

 「パフマシン」と呼ばれる、原料に熱と圧力を加えて膨らませる機械が導入されたことをきっかけに、まっすぐで長い菓子を作ろうということになった。

それ以前に販売され、うまい棒の原形となった「うまいうまいバー」の名前を引き継ぐこともできたが、「ちょっと子どもっぽい」という意見もあり、「うまいんだから素直に『うまい棒』でいこう」ということになったという。

 同じような棒状の菓子はあったが、当時の駄菓子屋では、むきだしの商品を容器から出して売るのが主流。

個包装でしけりにくく、持ち運びできるうまい棒は人気を集めた。

数年後には品質保持のため、アルミ加工のフィルムに包装を変更。

「コスト面で『10円の菓子に使うなんてとんでもない』と言われたそうです」と広報の田中浩次さん(44)は話す。

 ◇人気ベスト3は…  さらに味が選べる楽しみも、ハートをつかんだ。

最初に発売されたのはソース味だったが、その後、サラミ味、カレー味、翌年にはチーズ味、やさいサラダ味など6種類に。

82年のめんたい味誕生は、社員が九州への出張中、取引先と行った飲食店でからし明太子を食べたことがきっかけ。

まだ全国区でなかったからし明太子の斬新な味は、子どもたちの心とおなかをわしづかみにした。

当時子どもだった30~40歳代の男性には、めんたい味は今も人気なのだという。

何度も復活している、なっとう味や公募をきっかけに生まれたエビマヨネーズ味など、現在販売されているのは14種類。

人気ベスト3は、①コーンポタージュ②チーズ③めんたい――だという。

10本200円のプレミアムや、期間や地域限定の商品もある。

全文はソース元で うまい棒第1号となるソース味のパッケージ。

中身が見えるよう、透明の「窓」部分があった プレミアムうまい棒(左から)和風ステーキ味、明太子味、モッツァレラチーズ&カマンベールチーズ味