アメリカと中国が二大大国として主導権と握ろうと、さまざまな分野でしのぎを削っている世界経済。

まるで1990年代の日本とアメリカを見ているかのようだ。

世界第2位の地位を中国に譲りはや10年以上。

今後、世界経済における日本の存在感はどうなっていくのだろうか? 経済アナリスト、森永康平氏が見通しを語る。

日本は世界第3位の経済大国? ニュースなどで、「日本は世界第3位の経済大国」という表現を聞いたことはないでしょうか? また、こう聞いてみなさんはどのように感じますか?  私は未だにこの表現には慣れません。

私が学生だったころは「日本は世界で2番目の経済大国なんだ」と教わり、「小さな島国なのに、米国に次いで世界2位なんてスゴいなぁ」と驚くとともに、少し誇らしげな気持ちになった記憶があります。

社会人になった2007年の時点でも日本は世界第2位でしたから、もう刷り込まれてしまったのでしょう。

いまでも第2位というイメージが消えないのです。

私が金融機関で働いていた時の上司たちは、私以上に「スゴい日本」の印象を未だに抱いているようです。

1979年には『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という戦後の日本経済の高度成長を分析する書籍が発刊され大ヒットとなり、80年代後半のバブル期には山手線内側の土地の価格だけで米国全土が買えるとまでいわれていたわけですから、感覚的には日本が世界第1位とすら思っていたかもしれません。

それではいつ第3位に転落したのでしょうか? それは2010年です。

追い抜かれてから、もう10年以上が経っているのですが、どの国に追い抜かれたのかはすぐにわかりますよね? そう、中国です。

中国は日本の10倍以上の人口を抱えるわけですから、その国が高い経済成長を続ければ日本を追い抜くのは当然です。

日本は何が3位なの? では何をもって1位だの、2位だの、3位だのと言っているのでしょうか?人口?有名企業の時価総額?軍事力?答えは国内総生産(GDP)の額で、経済大国のランキングが作成されています。

では、GDPって何?と聞かれてみなさんはさっとこたえられるでしょうか?簡単に説明をしましょう。

GDPとは一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値の合計です。

このGDPは日本語で〝国内GDP総生産といいます。

ですから、日本企業が国外で生産した付加価値は含まれません。

ここでさらに「付加価値って何?」という新たな疑問が出てきてしまった人もいるかもしれませんね。

そんな人はこう考えてみるとわかりやすいかもしれません。

私たちがお店でお金を払って商品を買う場合、実はその商品が店頭に並ぶまでにはいくつもの段階を経ています。

まず加工業者が原材料メーカーから原材料を買いつけて加工し、それを小売業者に売ります。

そして、小売業者が店頭に並べて、私たち消費者がお金を払って買います。

この各段階において、それぞれの業者が原価に付加価値を乗せて販売するわけです。

つまり、付加価値は各業者の「利益」となるわけです。

この付加価値を合計したものがGDPになると考えてください。