新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから、もう1年半になる。

景気の先行きは依然として不透明だ。

最低賃金の引き上げを望む労働者も多いだろう。

残念ながら経営側は最賃上昇に難色を示している。

日本商工会議所は5月27日、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会とともに、西村康稔経済再生相を訪問。

最低賃金の引き上げはせず、現行水準を維持すべきだと主張した。

「引き上げありきの審議に疑問」などと反論 5月14日にあった経産省の経済諮問会議では、「自律的な経済成長軌道に乗せていくためのブースターとなるのが最低賃金を含む賃上げ」であり、「本年は最低賃金の引上げモメンタムを回復することが必要」などと資料に記していた。

日本商工会議所は公式サイト上でこれに反論。

菅首相が 「コロナ禍でも最低賃金を引上げてきた諸外国の取組も参考にして、より早期に1000円とすることを目指し、本年の引き上げに取り組む」 といった趣旨の発言をしたことに対し、全国の中小企業から多くの不安の声が寄せられていることを紹介している。

さらには、 「最低賃金は下方硬直性が強いため、最低賃金が引上げられ、更なる景気後退により業況が悪化すれば、企業は雇用調整せざるを得ない状況になることが、十分に予見されます。したがって、コロナ以前のような大幅な引上げはもとより、今年はあくまで『現行水準を維持』すべきことを強く主張しました」 と報告。

「セーフティーネット保障である最低賃金を政策的に用いるべきでない」「引上げありきの審議を行うことに疑問を感じている」などと併せて主張した。

全労連は改めて最賃1500円を主張 現在、東京都でも1013円 5ちゃんねるに6月1日、スレッドが立ち、「この程度で潰れる企業なんか必要ない」「高い賃金が出せない経営者はいらない」など辛辣な意見が目立った。

多くは、賃金を上げることができない会社側の責任を追及して「切り捨てるべき」とする声だった。

一方、全国労働組合総連合(全労連)は5月31日、新型コロナウイルスの影響を受けた非正規労働者がほぼ最低賃金で働いていることを念頭に、最「全国一律で時給1500円が必要」と訴えた。

金額は全労連が生活に必要な経費を調査し、それを賄える最低賃金を試算したもの。

生活実態や持ち物の数量などを調べ、生活に必要な費用を積み上げる方式を採用している。

現在、最低賃金が最も高い東京都でも1013円で、1500円までは程遠い。

コロナ禍でも引き上げるべきか否か――意見は当然ながら、企業側と労働者側で分かれている。

これらの議論を受け、政府がどのような判断を下すのか注目したい。