これまでの研究によって、神経を興奮させるドーパミンが分泌されると、飢えている状態でも食欲を抑制できることが知られていました。

しかし満腹状態において食事の終了がどのような仕組みで決定されているかは詳しくわかっていませんでした。

食欲抑制と食事終了の決定は、似ているようで異なる仕組みです。

摂食の制御部位(DRD1-LPBN)とドーパミンを生産するニューロン(DA-VTA)の間に、未知のつながりがあることを発見します。

研究チームは早速、マウスが食事をしている間、これら2か所の神経活動を測定しました。

マウスが食事をしている間、これら摂食を制御する脳の部位とドーパミンを生産するニューロンの神経活動を測定した結果、ドーパミンを生産するニューロンの活動が、マウスが食事をやめる瞬間に増加することを発見します。

また研究者たちが人為的にこのニューロンの活動をブーストした場合、絶食で飢えている状態のマウスにも、途中で食事を終了させる効果がありました。

一方これらのニューロン(DA-VTA)をウイルス感染によって破壊したり、抑制した場合は逆に、マウスは満腹になっても食事を続けるようになり、1カ月で20%もの勢いで体重を増加させていきました。

また追加の実験で、研究者たちは脳内でドーパミンを増やす作用のあるメチルフェニデートをマウスに与えることで、回路が強化されマウスの体重が減ることを示しました。

メチルフェニデートはADHDやナルコレプシーの治療薬として用いられている、覚せい作用がある薬です。

研究者たちはこの結果から、脳の神経回路をターゲットにしたダイエット薬の開発が可能になると述べました。

2021.06.04