2021/06/04 18:02 中国製コロナワクチンの効果に不安、ファイザー製「再接種」の国も 中国の国営シノファーム(医薬集団総公司)製のワクチンの有効性に対する不安が、ますます高まっている。

新型コロナウイルスのワクチンの接種率が最も高い水準にありながら、圧倒的な勢いで感染者が急増しているバーレーンは6月3日、すでにシノファーム製ワクチンの2回の接種を完了した人を対象に、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの「ブースターショット(追加接種)」を開始することを明らかにした。

米ウォール・ストリート・ジャーナルは、バーレーン保健省は、「シノファーム製ワクチンの2回目の接種を受けてから6カ月が経過した人のうち、感染リスクが高い人(肥満、50歳以上、慢性疾患があるなど)に対し、ファイザー製ワクチンによるブースターショットを受けるよう呼び掛けている」と報じている。

同国で接種を完了した人の割合は、およそ50%に達している。

その上、シノファーム製のブースターショットをすでに開始していた。

それにもかかわらず、人口10万人当たりの死者数がインドを大幅に上回っていることから、方針を変更したものとみられる。

主にシノファーム製のワクチンを使用し、接種率が高いその他の国でも、感染者が急増する深刻な事態が生じている。

アラブ首長国連邦(UAE)はすでにブースターショットを開始。

セーシェルも、同様の措置を検討している。

WHOは承認したが── シノファームのワクチンは5月上旬に世界保健機関(WHO)から緊急使用の承認を得た。

だが、同様にWHOから緊急使用を認められている中国シノバック(科興控股生物技術)製のワクチンとともに、有効性に関する懸念が示されている。

両社が主張する有効性を検証するために必要な臨床データが不足しているほか、公開されているデータに不備があること、中国政府がワクチンを政治利用していると指摘されていることなどが、その主な理由だ。

5月末に発表された両社製ワクチンの第3相臨床試験の結果を分析した査読付き論文では、2種類のワクチンの有効性はそれぞれ、73%、78%とされている。

だが、臨床試験は対象者の大半が若く健康な男性であり、慢性疾患がある人、女性、高齢者が含まれていない。

そのため両社の臨床試験は、ワクチンの有効性を明らかにするには「不十分だった」と指摘されている。

WHOもまた、高齢者に接種した場合の有効性については懸念があるとの見方を示している。

その他、論文の著者らは、重症化と無症状の感染を防ぐという面での有効性については、これらの臨床試験の結果から「結論を導き出すことはできなかった」と述べている。

フォーブスはこの件についてシノファームにコメントを求めたが、返答は得られていない。

ワクチンは外交ツール 中国は、自国の国営企業が開発したワクチンの品質と有効性を、かたくなに擁護している。

「パンデミックと戦う上での効果的な、かつ必要なツール」として、臨床試験が終了する前に接種が開始されたこのワクチンは、中国にとってはコロナ禍での外交政策上、重要なツールとなってきた。

両社のワクチンはどちらも、WHOと米食品医薬品局(FDA)が緊急使用を認める最低基準、50%の有効率を上回っている。

この下限は、これを満たしていれば、ワクチン需要が供給を大幅に上回る世界において、命を救うために多大な影響を及ぼすことが可能と考えられる数値だという。

だが、今年3月からシノファーム製ワクチンのブースターショットを開始していたUAEは、接種を完了した人たちを対象として、ひそかにファイザー製のワクチン接種を進めていると伝えられる。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、再び接種を受けたことを同紙に明らかにした人は、「数十人いる」。

その中には、シノファームのワクチン接種を受けた後も、抗体が確認されなかった人がいるという。