厚労省によれば、143万人が対象となる「ひとり親世帯」向けの給付金の事業費は約715億円。

しかし、この事業の事務費はなんと約98億円もかかるというのである。

 この給付金は、児童扶養手当受給世帯が対象であり一部を除いて申請は不要。

各自治体は今回の給付対象者のほとんどには、2か月ごとに児童扶養手当を振り込んでいるので、口座の照会すら不要なのである。

 そこになぜ、98億円もの経費が必要なのか。

 4月28日、伊藤議員が参議院「地方創生及び消費者問題に関する特別委員会」で、この不可解な事務費について大隈和英厚生労働大臣政務官に質したところ、こんな答えが返ってきた。

「申請不要な給付」にコールセンターは必要なのか  「ひとり親世帯分にかかわる事務費につきましては、支給事務が円滑に進みますように、臨時的な職員雇上げの人件費、これが67億円。また照会対応のためのコールセンター、業務委託に要する費用が27億円。自治体の支給事務システムの改修に要する経費、これが0.6億円。また周知のための広報関係の経費が4億円ということで、合計98億円、計上しております」  概ね、情報を把握している給付のために、67億円をかけて臨時職員を雇いあげ、27億円もかけてコールセンターを用意し、業務委託したというのである。

 給付の内容が知りたかったら、自治体の窓口担当者に聞くだろう。

 しかも、このひとり親世帯への給付は、すでに昨年度2回にわたり実施されており、受け取る側からしてみれば、今回は3回目。

ちなみに、過去2回の給付の際にも、人件費に120億円、コールセンター委託に60億円、システム改修費に61億円を支出したという。

 このコールセンターや、臨時雇用者の仲介について委託した業者はまだ公表されていない。

 給付のたびに、受注する業者が恩恵を受ける構図は、健全なセーフティネット整備と言えるのか。

 まるで窮状にあえぐひとり親やその子どもたちを使って、ITゼネコンや霞が関に食い込む人材サービスなどの利権ネットワークにお金を注ぎ込んでいるように見えてしまう。

 一方のふたり親世帯の給付については、所得状況を確認する必要があるため申請が必要だ。

そのため広報費などの経費が必要であることは分かるが、こちらも事業費約1,180億円に対して、事務費は約182億円に達している。

その内、人件費は86億円、システム開発・給付事務経費は90億円、広報関係の経費は6億円だ。

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