コロナ禍のもとで結婚や出産が減っているという。

たびかさなる緊急事態宣言、ソーシャルディスタンスが当たり前の社会となれば、デートなど易々とできないし、まして結婚へのハードルはかなり高い。

これでは少子化や人口減少にますます拍車がかからないだろうか。

人口問題のプロフェッショナルである国立社会保障・人口問題研究所の林玲子・副所長とともに、コロナショックがもたらす人口動態への影響とその歴史的な意味について考えてみた。

(中略) ■3000万人でも国家は存立できる  社人研の中位推計によると、日本の人口は2050年代初頭に1億人を割り、2065年に8800万人台になる。

つまり40年後には今より4000万人近く減るというのである。

 そう聴けば、誰しも国家の未来に不安を抱くだろう。

とはいえ、半世紀前にローマクラブで描かれた未来図からすれば、むしろ順当なことだ。

遅かれ早かれ、世界人口も日本と同様に減少に転じると考えれば、日本だけの特異な状況とは言えない。

 日本という島国が「キイロショウジョウバエの牛乳びん」のように一つの実験室になり自然界の摂理がより早く顕現化した、と見ることもできるのではないか。

世界で真っ先に人口減少が進む国になったことをあたかも経済政策や社会政策の失敗の結果だと見なす風潮はまちがっているのかもしれない。

――人口減が避けられないなら、日本にとってどんな対策が望ましいのですか?  林「日本にとって有力な人口減対策、それは長寿化です。健康寿命をどこまで伸ばせるか。 そのうえで将来人口が8千万人になろうと3千万人になろうと、国家は維持できます。 人口規模に合わせた社会制度を作ればいいだけの話です。江戸時代の人口は約3千万人だったのですから」  私たちはそろそろ人口減少が経済成長の足かせになる、というマイナスの発想はやめたほうがいいのかもしれない。

逆に、世界最先端の「人口減少国家」「超高齢社会」を作り上げることを国家的な目標に掲げてみてはどうだろうか。

 幸い日本はすでに世界一の長寿国である。

現役年齢を70歳代に引き上げることで生産年齢人口を底上げし、 それに見合った社会保障制度を作っていけばいい。

それに人口が減ったほうが、ひとりひとりの国民にとっては狭い国土を活用しやすくなる利点もあるだろう。

 たとえ人口減少とともに国全体のGDPが思うように増やせなくなっても、国民ひとりひとりの豊かさ(1人当たりGDP)を高めていく道を探ることは十分可能だ。

いつまでも「人口大国」(日本は現在、世界11位、先進国で2位)や、「世界3位の経済大国」という看板にこだわり続けることのほうが、 「人口の法則」にあらがう不自然な道ではないだろうか。

(全文はソースにて)