LGBTなど性的少数者に関する「理解増進」法案を巡り、山谷えり子・元拉致問題担当相(自民)が「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、女子陸上競技に参加してメダルを取るとか、ばかげたことが起きている」と発言したことなどに対し、当事者らでつくるLGBT法連合会(東京)は21日、「明らかな五輪憲章違反」と抗議する緊急声明を出した。

 声明では東京五輪を前に「トランスジェンダーも含めたLGBT当事者の選手の参加も見込まれる中、開催国として国際的な問題にも発展しかねない」とした。

 また、同性愛者で、LGBTの情報発信をする一般社団法人fair代表理事の松岡宗嗣さん(26)らが発言の撤回と謝罪を求めるオンライン署名を始めた。

松岡さんは「性的少数者の存在を否定する差別発言が政治家からなされたことに憤りを覚える。トランスジェンダーの実態を無視し悪質」と訴えた。

 トランスジェンダー選手の競技参加に詳しい中京大の来田享子教授は「スポーツ界は誰もがありのままの自分で競技に参加できることを目指してきた。性別変更した選手の参加は、2004年以降、五輪などでホルモン値など一定の条件があるものの、ルールとして認められている」と説明。

山谷氏の発言を「認識の誤りと無知をさらけ出すもの」と批判した。

(奥野斐) 東京新聞 2021年5月21日 22時25分