米英などから「周回遅れ」となっている新型コロナウイルス感染症の国産ワクチン開発が新たな課題に直面している。

海外製ワクチンの接種が世界的に進み、日本の製薬企業など「後続組」が薬事承認に向けた大規模な臨床試験(治験)を実施しづらくなっていることが背景にある。

緊急時の医薬品の承認審査制度の課題も浮上。

有効性や安全性を担保しつつ、国産ワクチン開発を加速する道はあるのか。

【横田愛】 偽薬使用に倫理的問題 承認制度にも壁  「1年後に国産ワクチンを上市(販売開始)できますか。『周回遅れ』を取り戻すにはどうすればいいのか」。

政府が16日に開いた医薬品開発協議会。

産官学の代表が居並ぶ場で、東京大医科学研究所の石井健教授(ワクチン学)が訴えたのが「有事対応」のあり方だった。

新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で、感染対策の「切り札」と各国が争奪戦を繰り広げるワクチン。

米英に加えて中露やインドが1年足らずで自国製ワクチンの実用化にこぎ着ける中、日本はまだ国産の使用開始を見通せず、政府は6月にもテコ入れ策をまとめる方向だ。

 国内で初期段階(第1、2相)の治験を進めるのは4社。

その一つの塩野義製薬の手代木功社長(日本製薬団体連合会会長)が協議会で強調したのが、世界的にワクチン接種が進む中で第3相治験を従来通り実施することの難しさだった。

ワクチン開発は通常、3段階の治験を経て安全性と有効性を確認する。

一般に最終段階の第3相治験では、大規模な集団を本物のワクチンと「偽薬」を投与するグループに分け、接種後の感染の有無や副反応などを比較する。

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