新型コロナ対策に関する総理の発言を聞いていて、総理には2つの非科学的思い込みがあると感じる。

1つは、感染経路のほとんどが会食を通じるものという理解、そしてもう1つは、PCR検査は必要とする人に対して重点的に行うべきという信念だ。

 会食を通じる感染が多いことは事実だ。

現に2度目の緊急事態宣言では、飲食店の夜間営業自粛を中心とする対策で、新規陽性者数を8割削減することに成功した。

しかし、陽性者は残り2割のところで横ばいに転じ、緊急事態宣言終盤では逆に増加していった。

このことは、飲食店以外にも重大な感染経路が存在することを意味している。

飲食店以外の抑制は不可欠だ。

 しかも、感染第4波を生み出した変異ウイルスは、感染力が2倍近いから、それに対抗するためには、2倍強い対策を講じるしかない。

だが、第3弾の緊急事態宣言は、昨年出された最初の宣言の時よりもずっと緩い。

これは、飲食店が感染源だという思い込みから抜け出せないからだ。

 私は、まん延防止等重点措置の対象自治体の住民全員をPCR検査して、陽性者を隔離するのが、最も効率的かつ効果的だと思う。

対象となる国民は3290万人で、1人当たりの検査費用を2000円とすると、必要な予算は658億円となる。

飲食店への時短要請に伴う協力金と比べて、ケタ違いにコストが低いのだ。

 ただ、政府の新型コロナ対策分科会の委員も、おしなべて大規模PCR検査に否定的だ。

というより、飲食店を感染経路の主役とみる考えや、大規模PCR検査の否定は、分科会のメンバーが菅総理に進言したものなのだ。

 分科会は2度も感染収束に失敗したのだから、今後の感染対策で最も必要とされるのは、委員の総入れ替えなのではないか。

(経済アナリスト) 4/25(日) 0:02 スポーツ報知