【大高宏雄の新「日本映画界」最前線】 「名探偵コナン 緋色の弾丸」が公開される前、配給を担当する東宝の関係者から、「(興行収入)100億円超えの手応えは十分にある。懸念は、新型コロナウイルスの影響だけだ」という話を聞いていた。

2年ぶりシリーズ最新作へのこれまで以上の大きな期待感、現実のリアクションとして、前売り券の販売枚数が相当数であったことなどから、そのような分析に至ったのだろう。

ただ、その時点でも感染拡大は、じわりじわりと迫ってきており、懸念も感じとった上での発言だったと思う。

玉川徹が麻木久仁子が激怒!無為無策で場当たり的コロナ対策に芸能界から大ブーイング  100億円に向けた上映体制(回数)は万全だった。

メイン館の一つ、TOHOシネマズ新宿は、初日(4月16日)に計43回の上映を行った。

同館としては、何と「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の42回を超えたのである。

近隣の新宿ピカデリーも初日に20回を超えた。

他のシネコンも、当然、圧倒的な回数で映画を回した。

その上映体制が、やはり興行に絶大な効果を見せたといえる。

 オープニング3日間は、まさにロケットスタートで、全国動員153万3000人、興収22億2000万円を記録した。

3日目に都内の映画館で見た筆者は、久しぶりの定番タイトルロールに涙し(ここは毎回泣ける)、多くの登場人物たちが、一体感をもってコナンの奮闘に加わっていく劇構成に満足した。

若い男女からその上の世代、ファミリー層まで実に幅広い客層がいつもどおりで、妙な安心感があったのである。

■3度目の緊急事態宣言でどうなる?  さて公開から1週間以上が経ち、感染状況は深刻さを増してきた。

4月23日、政府は東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に緊急事態宣言を発令することを決めた。

その期間は、4月25日から5月11日まで(予定)とのことである。

休業要請は、酒類を出す飲食店はじめ、百貨店、テーマパーク、大型商業施設などとしている(23日現在)。

大型商業施設は1000平方メートル以上の床面積を持つところが対象のようだ。

となると、多くのシネコンが含まれることが予想される。

ミニシアターなどはどうなるかわからないが、たとえ上映スクリーンが少なくても、商業施設全体が1000平方メートル以上を超えていれば、施設全体が休業を求められるため、中に位置するミニシアターや映画館も対象となるかもしれない。

 全国公開規模の作品1本が公開された場合、大阪では全体興収の約10%を占めるといわれている。

兵庫、京都も加わると、3府県トータルで約15%の興収が丸々なくなる計算になる。

もちろん、作品によって興収シェアは違うのであくまで推定の数値ではあるが、30%近いシェアを持つ東京がここに入るとなると、もはや興行自体が成立しづらい状態になってしまう。

そこまで休業が広がると、本来の半分ぐらいにまで興収が落ちてしまうのである。

 休業要請に対し、シネコンを擁する各興行会社がどの程度従うのかどうかは、23日時点では未定である。

しかし、従う際の協力金はしっかりと担保しておかないと大変なことになってしまう。

関係者、現場の人たちの混乱ぶりは想像に余りある。

4/24(土) 9:06