3度目の緊急事態宣言では、大型商業施設や酒類を提供する飲食店などへの休業要請に踏み込んだ。

私権の制限を含む措置に、東京都の幹部は「時短だけで大型連休は乗り切れない」。

さらに拡大するかもしれない感染状況を見据えて最後のカードを切った形だ。

 都内では12日からまん延防止等重点措置が23区と6市に適用され、都内の飲食店約12万店のうち約11万店に営業時間を午後8時までに短縮するよう要請した。

しかし目立った効果は上がらなかった。

12日時点で476・1人だった都内の新規感染者数の7日間平均は、23日時点では697・3人に上昇した。

「一気に感染拡大を抑え込むには踏み込んだ対策を」。

大型連休が迫る中、都庁内では焦りの色が強まり、休業要請を含む緊急事態宣言の要請へとかじを切った。

 国との調整では食い違いも露呈した。

宣言期間について専門家は「3週間は最低必要」との見方だ。

都も「3週間程度」と想定していたものの、期間は17日間になった。

小池百合子知事は「国としてお決めになったこと」と強調した。

 休業要請に伴う多額の財政支出も気がかりだ。

昨年4~5月の緊急事態宣言の際は中小事業者に限っていた協力金支給対象は今回、大企業も含まれる。

都は既に新型コロナ対策に3兆円超を投じており、今回の措置で財政はさらに圧迫される。

都幹部は「どのぐらいの金額になるか想像もつかない」と話す。

 医療が危機的状況にある大阪府。

23日も1162人の新規感染者が確認され、減少に転じる気配が見えない。

4月13日以降、重症者数が重症病床数を上回っている。

こうした中での緊急事態宣言、とりわけ休業要請の措置について吉村洋文知事は「人の流れそのものを抑える必要があるステージに入ったということを訴えてきた。大阪の意向を受け入れてくれた」と語る。

 府は先陣を切る形で20日に宣言発令を政府に求め、酒類提供を取りやめた上で営業時間を短縮するなどの3案を政府に提案。

吉村氏は「ポイントは酒。酒の自粛(提供中止)は必要だ」と強調していた。

 宣言の期間については異論もある。

吉村氏は「3週間から1カ月程度が適切だと思う」と疑問を示しつつ「今は長い短いと言っても意味がない。集中して強い措置をとるのが大事だ」と述べた。

 一方、京都府の西脇隆俊知事は「感染が拡大している局面で早めに手を打つ方が効果がある。今回は長くやる前提ではない。ゴールデンウイークを挟むことが重要で、妥当な期間だ」と評価。

兵庫県の井戸敏三知事は「集中、短期的に人の流れを思い切って抑制しようとする政府の意思の表れだろう」と語った。

【古関俊樹、斎川瞳、矢追健介、福富智、井上元宏】 毎日新聞 2021/4/23 22:55(最終更新 4/23 22:55)