新型コロナウイルス感染の急拡大に伴い、県内のタクシー業界が悲鳴を上げている。

飲食店の営業時間短縮による影響で利用客が減少。

運転手らは「緊急事態宣言発令で最悪だった昨春の状況に戻りつつある。このままでは生活が成り立たない」と訴え、公的支援や経済対策を求めている。

 「3月の月給は8万円。4月以降はもっと下がるだろう」。

60代男性運転手は頭を抱える。

 全国的な移動自粛要請による利用客の減少で昨年4月の月収は過去最低の3万円だった。

政府の観光支援事業「Go To トラベル」で一時的に客足は回復したものの、事業停止を受け、今年1月以降は現在の月給が続いている。

 月に15日間出勤し、勤務時間は午前6時~午後10時の16時間。

飲食店の時短営業が始まってからは、夜間の売り上げの柱だった客や店の関係者の利用がほとんどなくなった。

「ただでさえ生活が苦しい中、利用客は目に見えて減っている。協力金が支給されている飲食店と同様、行政による支援を強く望みたい」  徳島駅前で客待ちをしていた個人タクシーの男性(66)も先行きが見通せない現状に不安を抱く。

駅前でも人の流れは減っており、利用客は3時間に一組程度。

1日12時間乗車して売り上げが2千円ほどの日も多い。

「ガソリン代を稼ぐのもやっとの状況。一日も早くワクチンが県民全員に行き届いてほしい」と話す。

 徳島市中心部の繁華街では、客待ちするタクシーの台数が減っている。

県個人タクシー協会(41台)によると、飲食店の時短営業による影響に加え、運転手が感染を恐れて自主的に休業する事例が増えている。

「額面の半額を県が補助する『プレミアム交通券』は客からも運転手からも好評だった。感染が収束すれば行政は経済を回す対策に注力してほしい」と求める。