どう考えても「五輪」の影がちらつく。

政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づく3度目の緊急事態宣言を東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に発令する方針を固めた。

主要メディアでも報じられているように対策本部を23日に開いて正式決定するという。

昨年11月に来日し、都内で組織委の森喜朗会長(当時・右)とともに記者会見に臨んだトーマス・バッハIOC会長  10都府県に「蔓延(まんえん)防止等重点措置」を適用している最中だが、4都府県に対してはより強い効力を促す同宣言を発令することになる。

発令期間は26日から5月9日までの2週間を軸に調整される見込み。

 しかしながら、この大型連休に焦点を当てた期間設定を巡っては国内の各方面から「コロナ対策ではなく、東京五輪対策だ」などと皮肉交じりの猛反発を招いている。

それはSNSやネット上で飛び交う意見を目にしても明白であり、とにかく国民の怒りがひしひしと感じられる。

■ 東京都の緊急事態宣言、「最長でも5月16日まで」  4都府県の中に、関西の3府県に加えてシレっと東京が組み込まれたことも国民全体、特に東京都民の不信感を広げている。

すでに有識者の間から「感染爆発」と警鐘が鳴らされている大阪府の21日の新型コロナウイルス感染者数は1242人で過去最多を更新。

医療施設の病床は逼迫しており、同じ関西の兵庫県と京都府も同様に危機的な状況へと追い込まれている。

 その一方、東京の21日の感染者数は843人。

決して少ない人数ではないが、2度目の緊急事態宣言が発令された直前の1月7日の感染者数が2520人であったことと比較すると今回の上昇ペースは幾分緩やかなようにも思える。

それでも東京都の小池百合子知事は「先手先手の対応が必要不可欠」「スピード感を持って」などと述べ、大阪府・吉村洋文知事の後を追うようにして緊急事態宣言の要請を政府側に行う姿勢を見せた。

 しかも吉村知事が宣言の発令期間を「3週間から1カ月が適切」と要望しているのに対し、小池知事は「ずっと長いと、また途中で慣れが来てしまう。できるだけ効果が高く、だらだらしない方法が良い」と否定的な見解を示しつつ26日発令で最長でも3週間後の5月16日までとする対案を示して牽制した。

■ IOCバッハ会長は5月17日に来日予定  小池知事は「ゴールデンウイーク前のタイミングで(宣言を)ピシッと出すことが必要だ」とも力強く口にしたが、これらの言葉に同調する都民は正直に言って多くない。

緩やかな上昇で関西ほどの「感染爆発」となっていない東京都が、やや不自然なタイミングにおいて緊急事態宣言の対象エリアに組み込まれたのは「あの要人が来日する前にジワジワ上がり続けている感染者数の上昇を是が非でも抑え込んでおきたいからだろう」との見方がもっぱらである。

 「あの要人」とは、来月17日に来日予定となっているIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長だ。

4/22(木) 18:01