韓国政府が4-6月期の新型コロナワクチン接種を控えてまた危機を迎えた。

60歳未満の年齢層を対象にしたアストラゼネカ(AZ)ワクチン接種を中断すると発表した防疫当局は、週末に再開するかどうかを決めるという立場だが、4-6月期のワクチン接種日程に支障が生じると予想される。

(略) 政府が接種再開の動きを見せるのは代替可能な案がないからだ。

保健当局が発表した計画によると、4-6月期にワクチンを接種する1150万3400人のうち770万5400人がAZワクチンを接種する予定だ。

現在のところ、これほどの人数が接種できる他のワクチンはない。

このためにAZワクチン接種再開という結論が出る可能性が高い。

これに先立ちEMAが「ワクチンと希少な血栓の関連性はあるが、ワクチン接種による利点が副作用のリスクより大きい」と発表したのが名分になり得る。

専門家はコロナ流行状況とワクチン需給などを考慮し、接種のリスクとメリットを確認すべきだと助言している。

チョン・ジェフン嘉泉大学吉(キル)病院予防医学教室教授は「全体的に見て接種のメリットが圧倒的に大きいが、一部の集団は代わりのワクチンがあってもリスクを負う必要があるかどうか分析してみるべき」と述べた。

多数の専門家は接種の再開に同意しているが、若年層への接種には懸念を表した。

チェ・ウォンソク高麗大安山(アンサン)病院感染内科教授は「65歳以上の高齢層は確実に接種のメリットが大きいが、相対的に重症に進行するリスクが低い若年層については考慮する必要がある」と指摘した。

◆AZ以外のワクチンは不足、1回接種者の2回目は… キム・ユン・ソウル大医大医療管理学校室教授も「若年層、特に女性には選択権を与えるべき」とし「英国は30歳未満には他のワクチンを接種することにした」と説明した。

英ガーディアン紙によると、英国政府がAZワクチン接種のメリットと、接種時に生じるおそれがある深刻な副作用のリスクを確認したところ、20代ではメリットが0.8、リスクが1.1だった。

20代はAZワクチン接種によるメリットよりリスクが大きいということだ。

年齢が高いほど接種によるメリットがリスクより大きくなる。

60代の場合、メリットは14.1、リスクは0.2だった。

英国とカナダ、ドイツのように年齢を制限して接種を再開する場合、ワクチン接種日程は遅れる可能性が高い。

60歳未満の接種を制限する場合、4-6月期の接種計画から支障が生じる。

相対的に若年層が多い▼航空乗務員2万7000人▼医療機関および薬局従事者38万5000人▼64歳以下の慢性腎臓疾患者9万2000人▼警察・海警・消防・軍人など社会必須人員80万2000人--の接種が延期される。

さらに1-3月期にAZワクチンを接種した60歳未満の60万人も5月に2回目の接種をするが、これも中断される可能性がある。

いかなる決定をしても混乱はしばらく続く見通しだ。

キム・ユン教授は「政府は最善を尽くして説明するだろうが、AZワクチンは接種しないという人が増えるだろう」と話した。

匿名を求めた政府関係者も「悩みが多い。第4波が現実化するといわれるほど感染者が増えている状況で、接種を避けようとする対象者をどう説得するかが問題」と話した。

教師のワクチン接種にも赤信号がついた。

教師の不安感が強まっているからだ。

ソウル市教育庁によると、先月25日基準で接種対象教職員の接種同意率は67.3%だった。

当時はAZワクチンの血栓副作用が確認される前だった。

したがって再調査をすれば同意率がさらに低く出る可能性が高い。

ソウル市教育庁の関係者は「主に20-30代の若い教師が接種を避けるケースが多いようだ」と伝えた。

全国小学教師労働組合の関係者も「接種が延期され、不安感が強まったようだ」と話した。

政府が安全性に対する確信を与えるべきという声も出ている。

韓国教員団体総連合会(教総)側は「教師は接種の後遺症で同僚教師や生徒に被害が及ぶことを心配している」とし「休暇使用計画や接種日程に関連し、教師に任せず明確な指針を出す必要がある」と主張した。

高校3年対象のファイザーワクチン接種も問題なく進行するか未知数だ。

物量が不足しているからだ。

保健当局によると、3月末に入った100万回分を含め4-6月期に導入が確定したファイザーワクチンは計729万7000万回分。

しかし75歳以上の高齢者ら4-6月期のファイザー接種対象は計379万8000人で、計759万6000回分のワクチンが必要となる。

こうした対象者の接種を終えるにも物量が足りない状況だ。