5日から実施される新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」。

飲食店への営業時間短縮要請や命令違反に科される罰則が特徴だが、政府の緊急事態宣言との違いがわかりづらいとの指摘もある。

そこでまん延防止措置の適用を控えた大阪、兵庫、宮城の3府県と、日々の感染者数が全国トップクラスの東京都で道行く人たちに尋ねた。

緊急事態宣言との違いは? 適用されたら自身の行動をどう変えますか--。

 まん延防止措置が適用される目安は、緊急事態宣言が感染状況の国指標「ステージ4」(感染爆発)相当とされるのに対し、その一歩手前の「ステージ3」(感染急増)相当だ。

緊急事態宣言の前段階で対策を講じ、早期の感染収束につなげる狙いがある。

それだけに対象となる地域や業種、対策も限定的だ。

政府は今回、飲食店の営業時間を午後8時までとするよう求めている。

「状況変わった?」「効果ない」  仙台市の公園で桜を眺めていた市内の飲食店従業員、久道武さん(40)に声を掛けると、まん延防止措置の適用により「(飲食店の)閉店が午後8時に繰り上がるんでしょ」と応じた。

宮城県独自の緊急事態宣言を受け、勤務先の店はスタッフを減らして営業していたという。

まん延防止措置により「休業する店は多いのではないか」と心配する。

 市内の無職、今野よしえさん(66)は緊急事態宣言との「違いは何だろう」と首をかしげ、「知事が『様子をみる』と言った直後に適用が決まった。状況がどう変わったの?」と疑問を呈する。

昨春の緊急事態宣言以降、できるだけ外出を控え、外食したのは3回だけだ。

「行動を自粛するのもそろそろ限界だ。早くワクチンの接種を受け、映画館や美容院に行きたい」  大阪・ミナミの繁華街「道頓堀」。

帰宅途中だった大阪市の会社員女性(29)は「(緊急事態宣言で減った感染者は)解除したらまた増えた」と指摘。

まん延防止措置が適用されても「同じことの繰り返しだから、効果はないと思う」とあきれ顔だ。

兵庫県尼崎市の大学3年の女子学生(20)は「呼び方が違うだけに思える」。

一方で同県芦屋市の女性医師(28)は「尻をたたくというか、人々の意識を引き締めるためには、何もやらないよりはいいと思う」と理解を示す。

 リバウンド(感染再拡大)が懸念され、まん延防止措置の適用も人ごとではない東京都内ではどうか。

「実施されても、今とそんなに変わらないのでは」。

世田谷区のインテリア店員、神保弘さん(60)は冷ややかだ。

稲城市の会社員、清水孝さん(67)も「今でも飲食店は時短営業。外食する人はするだろうし、状況は変わらないと思う」と冷静に受け止める。

 2~3日に4都府県で取材に応じたのは19人。

うち11人は、緊急事態宣言との違いについて「わからない」と明言した。

また大半は、まん延防止措置が適用されてもこれまでと同様、自分なりに感染対策を徹底するとの考えを示した。

【まとめ・内橋寿明】 毎日新聞 2021/4/3 20:57(最終更新 4/3 20:57)