新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用される大阪府と兵庫県で、なぜ変異株が急拡大したのか。

吉村洋文府知事が、その理由を解明する説を紹介し、話題になっている。

「緊急事態宣言で感染を減らしすぎた結果、変異株が既存株に取って代わり、急拡大した」というのだが、本当なのか。

 吉村氏がツイッターで「真実をついているかもしれない」と紹介したのは、「TBS NEWS」が投稿した動画。

大阪と兵庫で変異株の感染が拡大している理由として、厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の脇田隆字(たかじ)座長の見立てを伝えたものだ。

 その趣旨は「前回の緊急事態宣言で大阪と兵庫は感染者数をかなり抑え込むことに成功したが、その状態で侵入した変異株が優先的に増えていった。一方、東京は感染者数が下げ止まり、通常のウイルスがかなり残っていたため変異株があまり広がらなかった」というもの。

吉村氏は「脇田説がストンとくる」とツイートした。

 大阪の宣言最終日の2月28日の感染者は54人。

東京の最終日に当たる3月21日の感染者は256人だった。

 東京の感染者を徹底的に減らすべきだと強調してきた多くの専門家の主張と結果的に異なる内容だが、既存株の感染者を減らすと変異株が急拡大することはあるのか。

 東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は、「2009年に新型インフルエンザが流行し、季節性インフルエンザの感染が減少した例のように、ウイルスに明らかな違いがある場合は影響を与える可能性もあるかもしれない。ただ、現在流行している変異株は、感染力が2倍弱に高まっているだけで基本的特性は同じだ。従来のウイルスを抑え込んだことが変異株の拡大につながったとは考えにくい」との見解を示す。

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