※文春オンライン 医学上、病気ではなく、手術も不要にもかかわらず、仮性包茎を「恥」だと思う男性は少なくない。

こうした「恥」の感覚は、いったいどこからやってきたのだろうか? 社会学者の澁谷知美氏は著書『日本の包茎 男の体の200年史』(筑摩書房)で、以下の仮説を取り上げ、その歴史を検証している。

仮説(1)仮性包茎にたいする恥の感覚は、美容整形医によって集客のために捏造された。

仮説(2)仮性包茎という概念は、美容整形医によって集客のために捏造された。

 ここでは同書の一部を引用。

包茎における「恥」文化がいかに醸成されていったのかを紹介する。

(全2回の1回目/後編を読む) ◆◆◆ 包皮をたくし上げる男たち  まずは、仮説(1)「仮性包茎にたいする恥の感覚は、美容整形医によって集客のために捏造された」について検討しよう。

結論からいうと、この仮説は否定された。

日本の男たちは、美容整形医がうんぬんするはるか以前から、仮性包茎に相当する状態を恥だと思っていた。

 このあたりの事情を明らかにするために、まずは、とある身体検査の話からはじめたい。

 日本が第二次世界大戦で負けるまで、男なら一生に一回は受けさせられた身体検査がある。

医師の前で全裸になり、ペニスや睾丸の状態を調べられる検査である。

包皮を剝いて、包茎であるかどうか、性病でないかどうかも確認される。

これをM検といった。

Mara( 魔羅[まら]。

ペニスの意)の検査だからM検である。

徴兵検査や軍隊入営後の定期検査をはじめ、入学試験や就職試験でもおこなわれた。

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