LINEは本当の意味で「日本国産」アプリになれるのだろうか。

水面下の動きなどから、今後、どうなっていくのか考察してみたい。

LINEの成り立ち  まず、LINEの成り立ちから振り返ると、もともとは韓国企業であるネイバー社の日本法人によって作られた通信アプリだった。

11年に発生した東日本大震災でメッセージをやり取りするアプリが必要だとのことから、日本で本格的に開発がスタートし、日本人が日本で生み出したサービスであると言われてきた。

ただ親会社は韓国企業だったために、今回問題になったように、データが韓国などに置かれてきた。

 アプリが公開されると瞬く間に人気を集めた。

簡単に利用できる便利さだけでなく、スタンプなども広く使われるようになり、どの世代からも支持されるまでに成長した。

ちなみに、LINEの純正のキャラクターは韓国人デザイナーが作ったもの。

日本国産ではあるが、韓国の色も含まれていることがうかがえる。

 ただ以前から、国産アプリのような印象ではあるが、実は韓国のものではないか、といった声は一部で上がっていた。

そうした話は国会などでも取り上げられたことがあるし、19年に日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)で日韓がもめた際には、 「韓国側がLINEの日本人ユーザーなどの重要な情報を中国に流すぞと脅しをかけたようだ」と、米国の関係筋から言われたこともある。

また日本の情報関係者からも、「(韓国スパイ組織である)国家情報院から『LINEはすべて見れますよ』と言われたことがある」と直接聞いたこともある。

どちらも真偽のほどは不明だが……。

 そんなアプリではあるが、一般ユーザーや政府、自治体、民間企業などがこぞってLINEを使ったサービスに乗り出していた。

ユーザー数8600万人を誇るサービスを使えば、多くの人が便利になるとの思いからに他ならない。

 LINEを運営していたLINE社は、ソフトバンク系のヤフーと21年3月合併し、Zホールディングスグループという会社になり、アプリを運営していくことになった。

その矢先に、この問題が浮上した。

LINE騒動は渡りに船  ヤフー側は、21年1~2月ごろに外部からの指摘でこの話を知り、調査を始めている。

LINE社の関連会社で中国が拠点の「LINEデジタルテクノロジー」で日本人ユーザーのデータにアクセスしていることが判明し、 ヤフー側の調査でも、この企業のみならず、韓国ネイバー社の中国法人でもアプリの管理などをするエンジニアやテスト要員を募集していたことも判明したという。

こうした実態が見えてきて、最初にこの件を報じた朝日新聞の報道につながったのである。

 この報道を受け、LINE関連企業の幹部は、中国から日本人のデータにアクセスできるようになっているとは想像もつかなかったと、困惑を隠さなかった。

ただヤフー側の関係者や、日本政府にとっては、今回の件は“渡りに船”だったと言えるかもしれない。

(抜粋)