※時事ドットコム 天の川に宇宙線の「加速器」 存在の証拠つかむ―東大など 2021年04月03日04時12分 チベット高原の標高4300メートルに設置されている空気シャワー観測装置(上)と地下のミューオン検出器(下)(チベットASγ実験グループ提供) 東京大宇宙線研究所などの日中共同研究チームは3日までに、中国・チベット自治区にある「チベット空気シャワー観測装置」で、地球が属する銀河系(天の川銀河)内から飛来した観測史上最も高いエネルギーのガンマ線を検出したと発表した。

地球に降り注ぐ宇宙線のうち、世界最大の加速器が作る粒子ビームの約100倍相当の宇宙線は、銀河系内にある「ペバトロン」と呼ばれる未知の天体で生成されると考えられているが、成果はその存在を裏付ける初めての観測的証拠になるという。

論文は近く、米物理学誌フィジカル・レビュー・レターズ電子版に掲載される。

同研究所の瀧田正人教授らのチームは、標高4300メートルにある同装置で、宇宙線やガンマ線が大気中の原子核と衝突して生み出された大量の2次粒子(空気シャワー)を観測。

2014~17年のデータから、観測史上最も高いエネルギーとなる1000兆電子ボルトのガンマ線が、天の川の方角から多数放射されているのを検出した。

飛来方向には直接ガンマ線を放射するような既知の天体がなく、研究チームは、これらのガンマ線はペバトロン天体で加速された高エネルギー宇宙線が、水素原子などと衝突して生じたと推測した。

従来の理論予測とも一致したという。

同研究所の川田和正助教は「今回の成果は、銀河系内で最強の宇宙線加速源であるペバトロンの足跡を捉えたと言える。発見できれば加速機構も解明できる」と話している ※関連リンク 60年来の謎解明へ、宇宙線の起源「ペバトロン」の決定的証拠つかむ!?天の川から史上最高エネルギーのガンマ線放射を観測? ? ICRR | Institute for Cosmic Ray Research University of Tokyo