台湾防空圏に侵入繰り返す中国軍機、単なる脅しから日本も巻き込まれかねない実戦モードか <台湾はすべて中国のものだ──3月29日に台湾の領空を侵犯した中国空機のパイロットは、台湾からの警告にこう返答した> 台湾とその周辺の空域は「すべて中国のものだ」──3月29日に台湾の領空に侵入した中国空軍の戦闘機パイロットは台湾からの警告にこう言った、 と地元メディアが報じた。

この言葉は、台湾南西部の防空識別圏(ADIZ)に進入した中国軍機と、それを迎え撃つ台湾空軍機のパイロットの間で現地時間10時4分に交わされたやりとりの一部。

録音された会話の内容を台湾のメディアが掲載し、本誌も録音を入手した。

台湾空軍の迎撃機は、中国機に標準的な警告を無線で送った。

「こちらは中華民国空軍。 現在、台湾南西部の空域を高度6000メートルで飛行している中国の軍用機は、われわれの空域に入り、航空の安全を脅かしている。方向転換し、ただちに離れなさい」 数秒後、中国語で短い返答があった。

「ここはすべてわれわれのものだ」 中国空軍は、26日に台湾周辺に20機もの軍用機を送りこみ、29日にはADIZに10機を侵入させた。

中国のこうした激しい動きは、台湾が3月26日にアメリカとの海洋警察分野の協力了解覚書に署名し、 3月29日に米外交官が台北を訪問するなど、アメリカとの非公式な外交関係の強化に対する反発とみられている。

だが、今回注目すべきなのは、中国軍機が台湾周辺を挟み撃ち攻撃をするような動きを見せ、 2機の軍用機が沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡の間を飛行し、台湾の南東部にまで回り込んだことだ。

この飛行パターンは、中国が単なる脅しではなく、実戦的な軍事演習を強化しているという印象を与える、 、と台北にある国防安全保障研究所のHung Tzu-chieh研究員は言う。

  「最近は、中国軍が将来の紛争や戦争の準備を強化しているという印象が強くなっている (または少なくとも中国軍がそのような印象を与えようとしている)」と、Hunは述べた。

台湾周辺での継続的な演習は「地域の平和と安定を混乱させ、将来的な紛争の危険を増大させている」と、彼は付け加えた。

最近の現地の報道によると、このところの台湾周辺の中国空軍の活動は、台湾政府だけでなく日本政府にも警戒感を引き起こしている。

読売新聞の報道によれば、日本の防衛省は台湾東部から約110キロの与那国島において、自衛隊の存在感を高めようとしている。

沖縄県の一部である与那国島の住人は約1700人で、そのうち約160人が自衛隊員だ。

この記事によれば、中国による台湾有事の際には、中国が与那国島への侵攻も考えるのではないかと日本政府は懸念している。

台湾海峡の安定を維持することは、3月16日に行われたロイド・オースティン米国防長官と日本の岸信夫防衛相との会談の後、 共同の懸念事項として提起された。

台湾と中国の対立は、アメリカおよび同盟国の日本にも影響を与える可能性が高いとアナリストらは言う。