東京都の新型コロナウイルス感染者数は、減少傾向が鈍化し“下げ止まり”ともいえる状況となっている。

先週から感染者数の減少幅が鈍化しており、都は目標前週比を7割以下としているが、18日時点では前週比76.3%、 19日時点では前週比84.7%、さらに20日時点では前週比91.6%となっており、再び増加に転じないか懸念の声もあがっている。

都の担当者は「20~30代の感染が目立つことから、若い人の活動が少し増えてきた可能性がある」とし 「休みの日に会食したり、仲間内で集まったりして感染するケースもある」としている。

外出して活動しやすい季節にも差し掛かってくる中で、残る緊急事態宣言の期間中、どのように行動を制御していくべきなのだろうか。

明星大学心理学部准教授で臨床心理士の藤井靖氏は、「大前提として、人の心理や行動と感染はやはりリンクしていると感じる。 これだけ複雑な社会生活や心理状況がある中でも、活動範囲と感染状況はつながっているといえるのでは」としつつも、 「一方で再び感染拡大が懸念される際に“気の緩み”という言葉が使われることがあるが、その意味については勘違いされている部分があるのではないか」と話す。

「“気の緩み”を人が発する言葉に置き換えて言うと『まあ、これくらいはいいか』ということだと思うが、 これはリラックスしていて、気が抜けていて、いろいろなことを甘く見ているというよりも、『疲れている』状態ではないかと思う」(以下、藤井靖氏) 藤井氏は「私たちの日常生活の中でも、例えば部屋の片付けをせず『まあいっか』と思ってしまうときは、いい加減でいいと思っているというよりは、 仕事や家事で疲れているときにそうしがち」とし、「カウンセリングでも『コロナ疲れはない』と言う人がそれなりに多いが、 話の内容を総合的にみると、疲れを自覚していないだけなのではないかと思う」と分析した。

「そういう状態が続くと、『まあいっか』がどんどん習慣化していって、自分の行動に対する問題意識をだんだん持てなくなっていく。 なので、『もしかしたら自分は疲れているのかもしれない』と、まずは自分の状態を自覚した上で、心理・身体的な疲れを解消することが、 いわゆる“気の緩み”を無くすことにつながるのでは」 では、具体的にどのように対処していけばよいのか。

藤井氏は「このコロナ禍の中で、外出や友達と会う、会食するというような、ビフォーコロナでは何の問題もなかった楽しみだけを求める心理になってしまうと、 それらが好きな人は特に苦しくなってしまう。疲れている状態であればまずは休んだり、ぼーっとして過ごす時間が必要だし、 その上で“楽しみ”ということであれば、家の中でもできること、直接会わずに取れるコミュニケーション方法、 一人でできることなど、新しい趣味やストレス解消法を見出すことがやはり必要」と説明。