【まとめ】 中国海警/海警局は沿岸警備隊に相当する組織である。
日本の海上保安庁と同様に海上権益や法執行を担当している。
所属する船舶は政府公船であり船体にはそれを示すハル・ストライプが塗装されている。
出典:『海上保安レポート2014』(海上保安庁) ・中国海警法には「強制力を行使し武力使用も可能」と読み取れる部分あり。
・しかし中国はそのような行動はせず、海警法よりも国際法を優先する。
・このような死文化される法が作られる背景に中国の国内事情あり。
外務省の懸念 日米政府は海警法をそれほどは問題視していない。
中国は国際法を守ると考えている。
また実際に違反しなければ国際法違反とも言い難い。
だから抗議ではなく懸念の表明にとどめている。
中国海警法が2021年2月1日に施行された。
これは日本の海上保安庁法に相当する法律である。
沿岸警備隊にあたる海警局の機能や運用を規定する内容だ。
この法律は国際法との矛盾が指摘されている。
本来ならどの国の軍艦や政府公船は不可侵性をもつ。
また他国領海内でも軍艦や商船は無害通航できる。
それにもかかわらず中国海警は強制力を行使し必要があれば武器使用もできる。
条文にはそうとも読み取れる部分があるからだ。
中国は国際法に背く行動をするのだろうか? 中国はそのような行動はとらない。
海警法よりも国際法を優先する。
そう判断する理由は次の3つである。
第1は中国は国内法より国際法を優先していること。
第2は外国艦船への対応は穏当であること。
第3は交戦状況でない限りは武力を行使していないことである。
台湾記者会見 フィリピンも海警法には抗議している。
だが、フィリピンは80年代に日本商船を爆撃し2013年には台湾漁船を銃撃して蜂の巣にした。
中国はそのような振る舞いはしていない。
写真は台湾側で行われた国際記者会見の様子。
■ 東シナ海防空識別圏の前例 中国は国際法を無視しない。
その第1の理由は国際法の優先である。
海警法と国際法が矛盾した場合、中国は国際法を優先する。
これは2013年に設定した東シナ海防空識別圏規則が示すとおりである。
これも国際法と矛盾する法規であった。
飛行には届出が義務付けられたからだ。
識別圏を通過する場合は中国政府に飛行計画ほかを提出しなければならない。
もし従わない場合は中国は軍事力行使も含めた措置を採る。
そのように規定されていた。
だが、国際法上はその必要はない。
東シナ海識別圏のほとんどは領海外である。
つまりは公海であり航海や上空通過の自由が認められる場所だ。
だから日米は抗議をした。
その上で日本政府は届出なしで自国民間機を運航させた。
国際法上、飛行計画ほかの提示は必要ない。
また提出せずとも危険はない。
中国は国際法を守る。
そう判断したためだ。
結果、どうなったか? 中国は国際法を優先した。
日本民間機に対しては何もしなかった。
今回の海警法も同じである。
中国は国際法を優先する。
中国が管轄する海域でも外国軍艦や政府公船の不可侵権は尊重する。
また領海内で無害通航の権利行使も尊重する。
そう判断できるのである。
■ 外国船には穏当にあたる 第二は外国船舶への配慮である。
平時の海洋権利の保護や領土争いでも中国は穏当な対応をしている。
それからすれば海警は国際法を守る。
無視するような強制力の行使や武器使用はしない。
これも従前の例が示すとおりである。
例えば、かつての日本漁船の侵入にも中国は危害は与えなかった。
新中国成立前後の70年前、日本漁民は中国領海内にも入り込み操業をしていた。
それに対しても中国は穏当策で対応した。
ごく初期に発砲したものの政府が介入し以降は発砲なしとした。
また早期の送還もすすめた。
同時期の李承晩ラインとは正反対の穏当対応だった。
また、今の尖閣でも南沙でも穏当に振る舞っている。
どちらでも中国側は他国船舶に致死的危害を加えていない。
係争国の公船や漁船とお互いに針路妨害、探照灯照射、放水、体当たりといった嫌がらせの応酬をするだけだ。
平時の紛争ゲームのルールに則っているのである。
(略)
日本の海上保安庁と同様に海上権益や法執行を担当している。
所属する船舶は政府公船であり船体にはそれを示すハル・ストライプが塗装されている。
出典:『海上保安レポート2014』(海上保安庁) ・中国海警法には「強制力を行使し武力使用も可能」と読み取れる部分あり。
・しかし中国はそのような行動はせず、海警法よりも国際法を優先する。
・このような死文化される法が作られる背景に中国の国内事情あり。
外務省の懸念 日米政府は海警法をそれほどは問題視していない。
中国は国際法を守ると考えている。
また実際に違反しなければ国際法違反とも言い難い。
だから抗議ではなく懸念の表明にとどめている。
中国海警法が2021年2月1日に施行された。
これは日本の海上保安庁法に相当する法律である。
沿岸警備隊にあたる海警局の機能や運用を規定する内容だ。
この法律は国際法との矛盾が指摘されている。
本来ならどの国の軍艦や政府公船は不可侵性をもつ。
また他国領海内でも軍艦や商船は無害通航できる。
それにもかかわらず中国海警は強制力を行使し必要があれば武器使用もできる。
条文にはそうとも読み取れる部分があるからだ。
中国は国際法に背く行動をするのだろうか? 中国はそのような行動はとらない。
海警法よりも国際法を優先する。
そう判断する理由は次の3つである。
第1は中国は国内法より国際法を優先していること。
第2は外国艦船への対応は穏当であること。
第3は交戦状況でない限りは武力を行使していないことである。
台湾記者会見 フィリピンも海警法には抗議している。
だが、フィリピンは80年代に日本商船を爆撃し2013年には台湾漁船を銃撃して蜂の巣にした。
中国はそのような振る舞いはしていない。
写真は台湾側で行われた国際記者会見の様子。
■ 東シナ海防空識別圏の前例 中国は国際法を無視しない。
その第1の理由は国際法の優先である。
海警法と国際法が矛盾した場合、中国は国際法を優先する。
これは2013年に設定した東シナ海防空識別圏規則が示すとおりである。
これも国際法と矛盾する法規であった。
飛行には届出が義務付けられたからだ。
識別圏を通過する場合は中国政府に飛行計画ほかを提出しなければならない。
もし従わない場合は中国は軍事力行使も含めた措置を採る。
そのように規定されていた。
だが、国際法上はその必要はない。
東シナ海識別圏のほとんどは領海外である。
つまりは公海であり航海や上空通過の自由が認められる場所だ。
だから日米は抗議をした。
その上で日本政府は届出なしで自国民間機を運航させた。
国際法上、飛行計画ほかの提示は必要ない。
また提出せずとも危険はない。
中国は国際法を守る。
そう判断したためだ。
結果、どうなったか? 中国は国際法を優先した。
日本民間機に対しては何もしなかった。
今回の海警法も同じである。
中国は国際法を優先する。
中国が管轄する海域でも外国軍艦や政府公船の不可侵権は尊重する。
また領海内で無害通航の権利行使も尊重する。
そう判断できるのである。
■ 外国船には穏当にあたる 第二は外国船舶への配慮である。
平時の海洋権利の保護や領土争いでも中国は穏当な対応をしている。
それからすれば海警は国際法を守る。
無視するような強制力の行使や武器使用はしない。
これも従前の例が示すとおりである。
例えば、かつての日本漁船の侵入にも中国は危害は与えなかった。
新中国成立前後の70年前、日本漁民は中国領海内にも入り込み操業をしていた。
それに対しても中国は穏当策で対応した。
ごく初期に発砲したものの政府が介入し以降は発砲なしとした。
また早期の送還もすすめた。
同時期の李承晩ラインとは正反対の穏当対応だった。
また、今の尖閣でも南沙でも穏当に振る舞っている。
どちらでも中国側は他国船舶に致死的危害を加えていない。
係争国の公船や漁船とお互いに針路妨害、探照灯照射、放水、体当たりといった嫌がらせの応酬をするだけだ。
平時の紛争ゲームのルールに則っているのである。
(略)