米化学会誌は十九日付の電子版で、昨年一月に掲載した名古屋大トランスフォーマティブ生命分子研究所の伊丹健一郎教授(合成化学)らの研究チームの論文を撤回したと発表した。

実験データの一部に再現性がなく誤ったデータも含まれていたため、伊丹教授らが撤回を申し入れたという。

 論文は、次世代の半導体材料として期待される炭素素材「グラフェンナノリボン(GNR)」の新たな合成法に関する内容。

 伊丹教授のチームでは昨年十一月末、英科学誌ネイチャーに載ったGNRの合成に関する別の論文も、実験データの一部に疑義があったとして撤回されている。

名大はネイチャー論文に関し、調査委員会を設置し、研究不正に当たるかなどを調査中。

今回の新たな論文撤回の事実についても把握しているという。

中日新聞 2021年2月23日 05時00分 (2月23日 05時02分更新)