ソース 現代ビジネス 02/22 削りました。

記事リンク先か魚拓を読んでください。

(略) ■話題の変異体N501YおよびE484Kとは (略) ウイルスが増殖するためには、図1のようにウイルス表面にスパイク状に突き出ているスパイクタンパク質(Sタンパク質)が私達の細胞にまずとりつく必要がある。

タンパク質はたくさんのアミノ酸が直線的につながってできているので、各アミノ酸の位置と種類を示すためにN501のような標記をする。

つまり、野生型(変異していない元の)ウイルスでは、501番目のアミノ酸がアスパラギン(N)であることを意味する。

一方、N501Yは、この501番目がチロシン(Y)というアミノ酸に変わった(変異した)ことを意味する。

同様に、E484Kは野生型ではグルタミン酸(E)であった484番目のアミノ酸がリシン(K)になった変異を示す。

■感染力が強くなる? N501Y変異 Sタンパク質のうち、その突端にあるRBD(受容体結合ドメイン)というタンパク質が、私達の細胞表面にあるACE2というタンパク質に直接的に結合する。

そこで、RBDとACE2の関係についてのみ考えれば良いことになる。

図2に示すように、ウイルスはACE2にある溝の部分に結合できるように、RBDの形を変えることができる。

ウイルスから見ると進化する。

もし、(a)のような形だと、RBDはACE2の溝に入らないが、(b)のような形に進化すると、とりあえずACE2によって認識され、ウイルスは宿主の細胞に侵入できる。

この形を決めるのが、RBDの先端部分にあるアミノ酸である。

野生型であるN501は、(b)のように、ACE2を認識できる。

しかし、形は必ずしもぴったりではない。

(c)のようにさらに進化すると、RBDはACE2をよりしっかりと認識できる。

つまり、宿主への感染力が強くなることを意味する。

その一つの例がN501Yである。

Y(チロシン)に変化することで、ウイルスはより強く私達の細胞に侵入しやすくなるということである。

■シミュレーションによる感染率の予想 (略)501番目のアミノ酸がNからYに変化するとACE2との相互作用が増強され、感染率は60%以上向上することを示唆した。

(略) ■ワクチンが効かなくなる? E484K (略)現在主流(略)はいずれもRNAワクチンである。

接種されたRNA情報に基づき私達の細胞内で抗体を生産し、その抗体によりウイルスを駆逐する。

RNAに書かれている遺伝情報は野生ウイルス自身のものであり、変異ウイルスのものではない。

従って、作られる抗体は野生ウイルスに対するものである。

従って、 現在製品化されているワクチンは変異ウイルスには効かないのでないか、という懸念が持ち上がっている。

実際のところは、どうなのだろうか? 図4に、野生型ウイルスに対する抗体が野生型ウイルスのRBDを認識する様子を示す。

RBD上にある特定の目印になる領域を抗体は認識する。

(a)のように認識されると、このRBDを表面に持つウイルスは異物とみなされ、これに対して生体内の免疫反応部隊が編成され、このウイルスは破壊される。

つまり野生型ウイルスを殺すことができる。

しかし(b)に示すように、もしRBDの対応する領域に変異が起こると、ワクチン接種で折角できた抗体はこのRBDを認識できない。

つまりこの抗体は変異ウイルスを処分する助けにはならないことになる。

RBD上の変異が小さく、抗体認識に大きな差がない場合には、先にできた抗体は変異ウイルスを認識できる。

しかし、既に変異ウイルスが報告されているE484Kでは、免疫逃避という現象が認められている。

つまり先に作られた抗体によって認識されない(抗体が効かない)。

図5に示すように、RBD上の484番目のグルタミン酸がリシンに変異すると、野生ウイルスに対して作られた抗体の接近を妨げること、すなわちその結合力が15%ほどに減弱することが私達のin silicoシミュレーションで示されている。

実際の実験では、この抗体による中和力が10倍程減弱すると報告されている。

まだ多くの実験データが集まっている訳ではないが、野生型ウイルスに対するRNAワクチンが作る抗体がE484K変異ウイルスに対しては効かないか、または効き難いということは予想されることである。

やはり変異ウイルスに対しては、それに応じたワクチンを作ることが最良であろう。

(略)